2010年03月07日
『 インビクタス/負けざる者たち』レビュー
『 インビクタス/負けざる者たち』
製作年 2009( アメリカ)134分
カテゴリー:ドラマ
監督:クリント・イーストウッド
キャスト:モーガン・フリーマン、マット・デイモン
レビュー(☆☆☆☆☆)
大げさかもしれないが、クリント・イーストウッドは、アメリカ映画界の最後の良心だとオイラは思う。
少なくとも、硫黄島の死闘を日米双方の視点で描いた『父親達の星条旗』『硫黄島からの手紙』のような大作の2部作の企画を通せる監督なんて、クリント・イーストウッド以外いない。
映画なんて所詮、娯楽にしか過ぎないが、ただのエンターテイメントでも、ただのビジネスでもない、映画でしか出来ない”武器(パワー)”を持っているし、映画はその”武器”を使って、真実を伝える義務を持っている。
クリント・イーストウッドはそれを知っているし、実際に 『父親達の星条旗』と『硫黄島からの手紙』で、歴史書や小説では決して出来ない、時間と空間を自由に切り取り、目の前に提示出来る”映画の武器”を使って、異なる2つの視点で同じ状況下の戦争を描く事により、あの戦争はどういうことだったのか?を我々の目の前に提示した。
もし、映画がただの娯楽でしかないなら、わざわざ2部作を作る必要なんてない。
彼は、映画が持つ義務を知っているからこそ、戦争の真実を別々の視点で描く必要があったと思う。
『 インビクタス/負けざる者たち』もそういう種類の映画だと思う。
南アフリカでは、80年代の終わりまでアパルトヘイト政策で白人が黒人を一定の地域に隔離をしていた。マンデラ大統領は、28年間投獄された後に解放され、選挙で大統領に選ばれた、南アフリカの初の黒人大統領だ。
彼が大統領に選ばれた時、今まで国を支配していた白人たちも、虐げられて来た黒人たちも、それぞれ自分たちに訪れた大きな変化に、不安と誤解とわだかまりを抱いていた。マンデラ大統領は、理性的に、そして物静かに、変化を受け入れることを、まず周りの人々に啓蒙していく。
最初は小さな変化がやがて、ラグビーのW杯決勝戦へと大きなうねりになって行く様は、映画でしか描けないものだと思う。
ラグビーの試合はこの映画の見せ場盛り上がるのだが、ほとんどのシーンは抑えた演出で、わざとらしく過剰なシーンが一切ないのが非常にいい!
特に、大統領が マット・デイモン 扮するラグビーチームのキャプテンのピナールを招待して会談するシーンは、大統領がキャプテンに熱いメッセージでも贈るのかと思って観ていたら、ただ、詩を読むだけの拍子抜けするほど静かなシーンだった。
最初はピナール自身もなぜ自分が大統領に呼ばれたのかも解らなかったが、大統領が投獄されていた時の心の支えだった詩は、やがてゆっくりと彼の魂に共鳴する。
試合のシーンは、それまでの演出とは打って変わって、エキサイティングな展開で胸が熱くなる。
ウーン( ̄^ ̄)クリント・イーストウッドさすがだぜ!!と思わず唸ってしまう。
この映画は、間違いなく傑作である。
ラグビーの試合の臨場感は、劇場でしか体感できないと思う
劇場でみるべし
製作年 2009( アメリカ)134分
カテゴリー:ドラマ
監督:クリント・イーストウッド
キャスト:モーガン・フリーマン、マット・デイモン
レビュー(☆☆☆☆☆)
大げさかもしれないが、クリント・イーストウッドは、アメリカ映画界の最後の良心だとオイラは思う。
少なくとも、硫黄島の死闘を日米双方の視点で描いた『父親達の星条旗』『硫黄島からの手紙』のような大作の2部作の企画を通せる監督なんて、クリント・イーストウッド以外いない。
映画なんて所詮、娯楽にしか過ぎないが、ただのエンターテイメントでも、ただのビジネスでもない、映画でしか出来ない”武器(パワー)”を持っているし、映画はその”武器”を使って、真実を伝える義務を持っている。
クリント・イーストウッドはそれを知っているし、実際に 『父親達の星条旗』と『硫黄島からの手紙』で、歴史書や小説では決して出来ない、時間と空間を自由に切り取り、目の前に提示出来る”映画の武器”を使って、異なる2つの視点で同じ状況下の戦争を描く事により、あの戦争はどういうことだったのか?を我々の目の前に提示した。
もし、映画がただの娯楽でしかないなら、わざわざ2部作を作る必要なんてない。
彼は、映画が持つ義務を知っているからこそ、戦争の真実を別々の視点で描く必要があったと思う。
『 インビクタス/負けざる者たち』もそういう種類の映画だと思う。
南アフリカでは、80年代の終わりまでアパルトヘイト政策で白人が黒人を一定の地域に隔離をしていた。マンデラ大統領は、28年間投獄された後に解放され、選挙で大統領に選ばれた、南アフリカの初の黒人大統領だ。
彼が大統領に選ばれた時、今まで国を支配していた白人たちも、虐げられて来た黒人たちも、それぞれ自分たちに訪れた大きな変化に、不安と誤解とわだかまりを抱いていた。マンデラ大統領は、理性的に、そして物静かに、変化を受け入れることを、まず周りの人々に啓蒙していく。
最初は小さな変化がやがて、ラグビーのW杯決勝戦へと大きなうねりになって行く様は、映画でしか描けないものだと思う。
ラグビーの試合はこの映画の見せ場盛り上がるのだが、ほとんどのシーンは抑えた演出で、わざとらしく過剰なシーンが一切ないのが非常にいい!
特に、大統領が マット・デイモン 扮するラグビーチームのキャプテンのピナールを招待して会談するシーンは、大統領がキャプテンに熱いメッセージでも贈るのかと思って観ていたら、ただ、詩を読むだけの拍子抜けするほど静かなシーンだった。
最初はピナール自身もなぜ自分が大統領に呼ばれたのかも解らなかったが、大統領が投獄されていた時の心の支えだった詩は、やがてゆっくりと彼の魂に共鳴する。
試合のシーンは、それまでの演出とは打って変わって、エキサイティングな展開で胸が熱くなる。
ウーン( ̄^ ̄)クリント・イーストウッドさすがだぜ!!と思わず唸ってしまう。
この映画は、間違いなく傑作である。
ラグビーの試合の臨場感は、劇場でしか体感できないと思う
劇場でみるべし
2010年03月05日
『フローズン・リバー』レビュー
『フローズン・リバー』
製作年 2008( アメリカ)97分
カテゴリー:ドラマ
監督:コートニー・ハント
キャスト:メリッサ・レオ、ミスティ・アップハム、チャーリー・マクダーモット、マーク・ブーン・ジュニア、マイケル・オキーフ
レビュー(☆☆☆☆☆)
2008年度サンダンス映画祭のグランプリを受賞し、クエンティン・タランティーノが絶賛した『フローズン・リバー』をシネマライズで観た。
この映画は、無名の監督のコートニー・ハントの長編デビュー作で、キャストも有名な役者は出演していないためか、日本では配給会社が付かず、公開が危ぶまれていたため、シネマライズが買い付けて公開されたらしい。
確かに、ストーリーも地味で、宣伝材料になるのはサンダンス映画祭のグランプリくらい映画だが、テレビ局製作の、毒にも薬にもならない映画を観て大切な人生の時間を無駄にするくらいなら、この映画を見ろ!!と言いたい。
とは言っても、暇つぶしの人生を歩んでいるような奴らには、何も響かないだろうが、人生の何かと戦っている人間には、何かしら”ガツン”とくる映画だと思う。
人生は戦いだとオイラは思う。生きている間は、何か”と戦い続けなければならない。
その何かは、不安だったり、貧困だったり、自分の弱さだったり、人それぞれ違うだろうが、時には打ちのめされたり絶望したりしながらも、それでも、戦い続けなければならない。この映画は、そういう種類の映画だ。
ストーリーは、カナダとの国境に面した、先住民「モホーク族」の保留地を抱える田舎町に住む、5歳と15歳の男の子の母親の白人女性レイ(メリッサ・レオ)は、新しいトレーラハウスを買うために金を貯めていたが、ギャンブル狂いの夫は、そのお金を持って蒸発する。1ドルショップで働く彼女は、子どもたち食べさせる食費にも事欠くほど(朝食がポップコーン)、切羽詰っている日々を過ごしている。
ある日、彼女は蒸発した夫の車を乗っていた、モホーク族の女ライラ(ミスティ・アップハム)と知り合う。彼女もまた、経済的な理由から義理の母に1歳の息子を奪われてしまったいた。ふたりは、儲けを山分けすることを条件に、凍りついた川を渡り国境を越えて「不法移民を運ぶ」という危険なアルバイトですることになる。
映画の中盤にある奇跡が起こる。
その奇跡は、犯罪に手を染めながらも、人として、そして母親としての尊厳から、自らのリスクを顧みず もたらされた奇跡だ。
この二人の主人公レイとライラは、決して自分たちの現状を愚痴ったりしないで、ただ黙々と行動する。そこがこの映画の素晴らしいところだ。
脚本家が頭の中で創作したような、陳腐で勿体ぶったセリフなんか一切出てこない。
この映画を、いつも無駄な会話のシークエンスだらけの映画を作るタランティーノが絶賛してるのも面白いが、タランティーノは本当に映画の本質を見抜く本物の目を持っているクリエーターだと思うし、この映画を配給したシネマライズは偉い!!と思う。
それに比べて、こんないい映画を配給しない金儲けしか興味のない腰抜け配給会社には、心底ガッガリだぜ
映画はただの娯楽でビジネスだけど、文化・芸術でもあるんだぜ
マンガ原作でテレビ会社制作の”おこちゃま”映画ばかり作っていると、いつか日本の映画文化は取り返しがつかないほど、幼稚なものになっちまうぜ!(余談ですが。。)
とにかく、この映画は地味だけど、貧困から犯罪に手を染めながらも、ほんの小さな希望を見出そうともがく二人の姿に、打ちのめされるはずだ。
自分の窮地を嘆いているだけでは、何も起こらないし、誰も手を差し伸べてはくれない。
自分の人生は、自分でつかみ取るしかないのだ。
人生は厳しいが、戦う価値がある。そう思わされる映画だ。
製作年 2008( アメリカ)97分
カテゴリー:ドラマ
監督:コートニー・ハント
キャスト:メリッサ・レオ、ミスティ・アップハム、チャーリー・マクダーモット、マーク・ブーン・ジュニア、マイケル・オキーフ
レビュー(☆☆☆☆☆)
2008年度サンダンス映画祭のグランプリを受賞し、クエンティン・タランティーノが絶賛した『フローズン・リバー』をシネマライズで観た。
この映画は、無名の監督のコートニー・ハントの長編デビュー作で、キャストも有名な役者は出演していないためか、日本では配給会社が付かず、公開が危ぶまれていたため、シネマライズが買い付けて公開されたらしい。
確かに、ストーリーも地味で、宣伝材料になるのはサンダンス映画祭のグランプリくらい映画だが、テレビ局製作の、毒にも薬にもならない映画を観て大切な人生の時間を無駄にするくらいなら、この映画を見ろ!!と言いたい。
とは言っても、暇つぶしの人生を歩んでいるような奴らには、何も響かないだろうが、人生の何かと戦っている人間には、何かしら”ガツン”とくる映画だと思う。
人生は戦いだとオイラは思う。生きている間は、何か”と戦い続けなければならない。
その何かは、不安だったり、貧困だったり、自分の弱さだったり、人それぞれ違うだろうが、時には打ちのめされたり絶望したりしながらも、それでも、戦い続けなければならない。この映画は、そういう種類の映画だ。
ストーリーは、カナダとの国境に面した、先住民「モホーク族」の保留地を抱える田舎町に住む、5歳と15歳の男の子の母親の白人女性レイ(メリッサ・レオ)は、新しいトレーラハウスを買うために金を貯めていたが、ギャンブル狂いの夫は、そのお金を持って蒸発する。1ドルショップで働く彼女は、子どもたち食べさせる食費にも事欠くほど(朝食がポップコーン)、切羽詰っている日々を過ごしている。
ある日、彼女は蒸発した夫の車を乗っていた、モホーク族の女ライラ(ミスティ・アップハム)と知り合う。彼女もまた、経済的な理由から義理の母に1歳の息子を奪われてしまったいた。ふたりは、儲けを山分けすることを条件に、凍りついた川を渡り国境を越えて「不法移民を運ぶ」という危険なアルバイトですることになる。
映画の中盤にある奇跡が起こる。
その奇跡は、犯罪に手を染めながらも、人として、そして母親としての尊厳から、自らのリスクを顧みず もたらされた奇跡だ。
この二人の主人公レイとライラは、決して自分たちの現状を愚痴ったりしないで、ただ黙々と行動する。そこがこの映画の素晴らしいところだ。
脚本家が頭の中で創作したような、陳腐で勿体ぶったセリフなんか一切出てこない。
この映画を、いつも無駄な会話のシークエンスだらけの映画を作るタランティーノが絶賛してるのも面白いが、タランティーノは本当に映画の本質を見抜く本物の目を持っているクリエーターだと思うし、この映画を配給したシネマライズは偉い!!と思う。
それに比べて、こんないい映画を配給しない金儲けしか興味のない腰抜け配給会社には、心底ガッガリだぜ
映画はただの娯楽でビジネスだけど、文化・芸術でもあるんだぜ
マンガ原作でテレビ会社制作の”おこちゃま”映画ばかり作っていると、いつか日本の映画文化は取り返しがつかないほど、幼稚なものになっちまうぜ!(余談ですが。。)
とにかく、この映画は地味だけど、貧困から犯罪に手を染めながらも、ほんの小さな希望を見出そうともがく二人の姿に、打ちのめされるはずだ。
自分の窮地を嘆いているだけでは、何も起こらないし、誰も手を差し伸べてはくれない。
自分の人生は、自分でつかみ取るしかないのだ。
人生は厳しいが、戦う価値がある。そう思わされる映画だ。
2010年02月21日
『 Dr.パルナサスの鏡』レビュー
『 Dr.パルナサスの鏡』
製作年 2009( イギリス/カナダ)124分
カテゴリー:ファンタジー
監督:テリー・ギリアム
出演:ヒース・レジャー/クリストファー・プラマー/ヴァーン・トロイヤー/アンドリュー・ガーフィールド/ジョニー・デップ/コリン・ファレル/ジュード・ロウ
レビュー(☆☆☆)
ヒース・レジャーの遺作『Dr.パルナサスの鏡(原題:THE IMAGINARIUM OF DR. PARNASSUS』を観た。
監督は、『未来世紀ブラジル』『12モンキース』の奇才テリー・ギリアム。
ヒース・レジャーは バットマンの宿敵ジョーカー役でアカデミー助演男優賞を受賞した『ダークナイト』撮影直後、本作の撮影中に急死した。
『ダークナイト』で見せた彼の演技は、本当に鬼気迫るものがあった。
本物の狂気を体現できる数少ないアクターの最後の演技はコミカルな悲哀を漂わせつつ、肩の力を抜いて自由に演じているような印象を受け、新たな彼の一面を見る事ができる。色んな引き出しを持った役者だったろうが、28歳の若さで亡くなるとは、本当に残念だ。
ヒース・レジャーの急死に伴い、未撮影シーンを、彼の親友のジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが代役を努め、完成したとの情報を本で読んでいて「ヒースが殆ど出てこないんだろうなあ」と勝手に想像していたが、意外にもヒースが出ずっぱりでジョニー・デップらの代役シーンは、鏡の世界に入った時に顔が変わるという設定になっているので違和感なく、逆に代役それぞれのパートが各役者の色が出ていて楽しめた。
この映画はヒース・レジャーだけが売りの映画ではなく、Dr.パルナサスと悪魔のやり取りも非常に面白し、奇才テリー・ギリアムが生み出す、ビジュアルも凄い。
日本では、この手の映画は受けないらしくて、オイラの近所のシネコンでも早々と打ち切りになってしまった。残念。
また、役を引き継いだジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが、それぞれのギャラを当時2歳のヒースの娘に寄贈したという美談にも心打たれる。
あと、うちのカミサンがこの映画をみて、ヒース・レジャーとジョニー・デップが似ていたため、ジョニー・デップが何処に出ていたのか全く判らなかったらしく、しかも、コリン・ファレルのパートでは『ブラピも出てるのね』とか勝手に思っていたらしい。( ̄○ ̄)ジョニー・デップの美談が・・・・・(;´д`)トホホ…
製作年 2009( イギリス/カナダ)124分
カテゴリー:ファンタジー
監督:テリー・ギリアム
出演:ヒース・レジャー/クリストファー・プラマー/ヴァーン・トロイヤー/アンドリュー・ガーフィールド/ジョニー・デップ/コリン・ファレル/ジュード・ロウ
レビュー(☆☆☆)
ヒース・レジャーの遺作『Dr.パルナサスの鏡(原題:THE IMAGINARIUM OF DR. PARNASSUS』を観た。
監督は、『未来世紀ブラジル』『12モンキース』の奇才テリー・ギリアム。
ヒース・レジャーは バットマンの宿敵ジョーカー役でアカデミー助演男優賞を受賞した『ダークナイト』撮影直後、本作の撮影中に急死した。
『ダークナイト』で見せた彼の演技は、本当に鬼気迫るものがあった。
本物の狂気を体現できる数少ないアクターの最後の演技はコミカルな悲哀を漂わせつつ、肩の力を抜いて自由に演じているような印象を受け、新たな彼の一面を見る事ができる。色んな引き出しを持った役者だったろうが、28歳の若さで亡くなるとは、本当に残念だ。
ヒース・レジャーの急死に伴い、未撮影シーンを、彼の親友のジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが代役を努め、完成したとの情報を本で読んでいて「ヒースが殆ど出てこないんだろうなあ」と勝手に想像していたが、意外にもヒースが出ずっぱりでジョニー・デップらの代役シーンは、鏡の世界に入った時に顔が変わるという設定になっているので違和感なく、逆に代役それぞれのパートが各役者の色が出ていて楽しめた。
この映画はヒース・レジャーだけが売りの映画ではなく、Dr.パルナサスと悪魔のやり取りも非常に面白し、奇才テリー・ギリアムが生み出す、ビジュアルも凄い。
日本では、この手の映画は受けないらしくて、オイラの近所のシネコンでも早々と打ち切りになってしまった。残念。
また、役を引き継いだジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが、それぞれのギャラを当時2歳のヒースの娘に寄贈したという美談にも心打たれる。
あと、うちのカミサンがこの映画をみて、ヒース・レジャーとジョニー・デップが似ていたため、ジョニー・デップが何処に出ていたのか全く判らなかったらしく、しかも、コリン・ファレルのパートでは『ブラピも出てるのね』とか勝手に思っていたらしい。( ̄○ ̄)ジョニー・デップの美談が・・・・・(;´д`)トホホ…
2010年02月19日
パラノーマル・アクティビティ
『パラノーマル・アクティビティ』
製作年 2009(アメリカ)86分
監督:オーレン・ペリ
キャスト:ケイティ・フェザーストーン、ミカ・スロート
レビュー(☆☆)
低予算でドキュメンタリー・タッチのホラー映画と言えば、「ブレアウィッチプロジェクト」の悪夢(いろんな意味で)を思い出す。(笑)
この映画は、100万円という超低予算映画で製作され、スピルバーグがリメイクをしようとしたが、これ以上の恐怖を演出することができないと断念したというエピソードも加わり、全米で爆発的ヒットした映画だ。
「ブレアウィッチプロジェクト」がヒットした時は、ホームビデオで撮ったチープな映像を逆手にとって、インターネットを効果的に利用して本当に起きた事件のように宣伝したため、低予算にも係わらず、口コミで大ヒットした。
しかし、恐怖映画としては、「何かいる・・・・。何かが起きる。ワァーー!ギャ~~!」にみたいなことを言って、結局、何も起こらずみたいな映画で、オイラは心底『金返せ~!』と思った映画だった。
この『パラノーマル・アクティビティ』も、「ブレアウィッチプロジェクト」の悪夢再びか!!と思って観たが、前半は案の定、固定カメラで一晩中、寝室で寝ているカップルを映した映像に、変な音が録れていたり、ドアが勝手に閉まったりするだけで、肩透かしを食うが、中盤あたりから徐々に異常な現象が多発するにつれ徐々に恐怖が増す上手い演出をしている。
後半の何分かの映像は、スピルバーグの意見を取り入れて撮り直しただけあって、結構、怖いし、低予算でも、アイデアと演出で見ごたえのある映画だと思う。
特にラストも衝撃的な結末で、「ブレアウィッチプロジェクト」とは、まったく違って結構怖い。
ただ、ホラー映画としては、マイ・ベスト・ホラー映画の『エクソシスト』や『ザ・リング』のラストには、遥かに及ばない
この映画は、”スピルバーグがリメイク・・・云々”と宣伝するよりも、「ブレアウィッチプロジェクト」がインターネットを効果的に使って集客したような方法で、何の予備知識もなく、本当に起きた事件の映像と思わせて見せた方が、より恐怖を味わえる映画になったと思う。
ただ、100万円で何十億も稼ぐビジネスとしては、最高だが。。。。。
製作年 2009(アメリカ)86分
監督:オーレン・ペリ
キャスト:ケイティ・フェザーストーン、ミカ・スロート
レビュー(☆☆)
低予算でドキュメンタリー・タッチのホラー映画と言えば、「ブレアウィッチプロジェクト」の悪夢(いろんな意味で)を思い出す。(笑)
この映画は、100万円という超低予算映画で製作され、スピルバーグがリメイクをしようとしたが、これ以上の恐怖を演出することができないと断念したというエピソードも加わり、全米で爆発的ヒットした映画だ。
「ブレアウィッチプロジェクト」がヒットした時は、ホームビデオで撮ったチープな映像を逆手にとって、インターネットを効果的に利用して本当に起きた事件のように宣伝したため、低予算にも係わらず、口コミで大ヒットした。
しかし、恐怖映画としては、「何かいる・・・・。何かが起きる。ワァーー!ギャ~~!」にみたいなことを言って、結局、何も起こらずみたいな映画で、オイラは心底『金返せ~!』と思った映画だった。
この『パラノーマル・アクティビティ』も、「ブレアウィッチプロジェクト」の悪夢再びか!!と思って観たが、前半は案の定、固定カメラで一晩中、寝室で寝ているカップルを映した映像に、変な音が録れていたり、ドアが勝手に閉まったりするだけで、肩透かしを食うが、中盤あたりから徐々に異常な現象が多発するにつれ徐々に恐怖が増す上手い演出をしている。
後半の何分かの映像は、スピルバーグの意見を取り入れて撮り直しただけあって、結構、怖いし、低予算でも、アイデアと演出で見ごたえのある映画だと思う。
特にラストも衝撃的な結末で、「ブレアウィッチプロジェクト」とは、まったく違って結構怖い。
ただ、ホラー映画としては、マイ・ベスト・ホラー映画の『エクソシスト』や『ザ・リング』のラストには、遥かに及ばない
この映画は、”スピルバーグがリメイク・・・云々”と宣伝するよりも、「ブレアウィッチプロジェクト」がインターネットを効果的に使って集客したような方法で、何の予備知識もなく、本当に起きた事件の映像と思わせて見せた方が、より恐怖を味わえる映画になったと思う。
ただ、100万円で何十億も稼ぐビジネスとしては、最高だが。。。。。
2010年02月09日
『かいじゅうたちのいるところ』レビュー
『かいじゅうたちのいるところ』
製作年 2009(アメリカ)101分
監督:スパイク・ジョーンズ
原作:モーリス・センダック
脚本:スパイク・ジョーンズ、デイブ・エガース
キャスト:キャサリン・キーナー、マックス・レコーズ
レビュー(☆☆☆☆☆)
息子が幼稚園の頃にモーリス・センダックの名作絵本「かいじゅうたちのいるところ」を、読み聞かせた。
絵本は確か20ページくらいのシンプルな絵本だったと思う。
その絵本を原作に、「マルコヴィッチの穴」の曲者スパイク・ジョーンズが映画化したというので、今では、すっかり腕白小学生に成長した息子とカミサンと『かいじゅうたちのいるところ』(日本語吹き替え版)観に行った。
ストーリーは、いたずら好きな7歳の少年マックスが、母親とケンカをして家を飛び出し、船に乗って何日も海に渡り、やがてかいじゅうたちの住む島に辿り着く。
彼らの王様になったマックスは、かいじゅうたちと一緒にみんなが幸せになれる世界を築こうとするファンタジー映画だ。
子供と毛むくじゃらの奇妙な”かいじゅう”達のこの映画は、ただのお子ちゃま映画ではない。
大体、かいじゅうたちはトトロのように可愛いいわけでもないが、みんな何か困ったような何とも言えない表情をしているのが非常に良い!( ̄∀ ̄)
しかも、みんな一癖あって、最初マックスを『喰っちまおうぜ!』とか詰め寄ったりするが、マックスに『僕は王様だから、そんなこと言っちゃあダメだよ』と言われるとすぐに納得してしまような憎めない奴らだ。
実際かいじゅう達は、王様を必要としていた。
それぞれ色んな悩みみたいものを抱えていて、自分たちでは何も決められずオロオロしているところに、突然現れたマックスが王様だと聞いて彼らは大喜びする。
マックスが彼らの前に現れた時、リーダー格の暴れん坊だけど本当は優しいキャロルと、理知的でクールなCJ間には、軋轢が生じていた。
キャロルは腹いせに仲間の住む家をぶっ壊すが、まわりのかいじゅう達は、ただオロオロとするだけで何もできない。
彼らの望みは、ただ、昔みたいにみんな仲良く遊んで、重なり合って眠ることだけなのに( ´ρ`).。o○
島の荒涼とした砂漠や砂浜や森は、少年の心象風景なんだろう。
かいじゅうたちは子供から見た大人のメタファーかもしれないし、少年の心の奥にある残酷性の現れなのかもしれない。
この映画はその辺の表現が卓越していて、少年特有の危なっかしさとか、残酷性を実に上手く表現している。
例えば、かいじゅうたちが王様のマックスの指示で、踊りを踊ったり、泥団子合戦をやったりする時、鋭い爪で木を引っ掻き、森の木をなぎ倒し、仲間のかいじゅうをおもいっきり放り投げ、相手の頭をめがけて泥団子を投げつけ吹っ飛ばしたり、大人が見ていたら、危ないってΣ(`□´ ;)!!って、怒られるようなことばっかりする。
うちの悪ガキ小僧の息子や近所の腕白小僧も、そして、かつてのオイラもみんな、一歩間違えたら死んじゃうぞというような事をやるものだ。
オイラもガキの頃は、友達と崖から飛び降りたり、隣接する雑居ビルの屋上から隣のビルの屋上に飛び移ってみたり、今考えるとよく死ななかったと冷や汗がでるようなことばかりしていた(;´Д`)
これは、かつて少年だった大人ための映画かもしれない。みんな心の中に、かいじゅうたちがいたのかも(´∇`)
でも、この映画は決してホノボノだけではない毒がある。そこがいい。
特にいいのは、ラストのマックスが船に乗って帰るシーンで、日本のアニメだったら、なんか感動的なシーンにしがちなんだけど、キャロルが気の利いたセリフなんか、一切言わないところが実にいい( ̄∀ ̄)
お勧め!!だけど、面白いかどうかは、見る人がどんな子供時代を過ごして来たかとかで、変わるような気がする。
製作年 2009(アメリカ)101分
監督:スパイク・ジョーンズ
原作:モーリス・センダック
脚本:スパイク・ジョーンズ、デイブ・エガース
キャスト:キャサリン・キーナー、マックス・レコーズ
レビュー(☆☆☆☆☆)
息子が幼稚園の頃にモーリス・センダックの名作絵本「かいじゅうたちのいるところ」を、読み聞かせた。
絵本は確か20ページくらいのシンプルな絵本だったと思う。
その絵本を原作に、「マルコヴィッチの穴」の曲者スパイク・ジョーンズが映画化したというので、今では、すっかり腕白小学生に成長した息子とカミサンと『かいじゅうたちのいるところ』(日本語吹き替え版)観に行った。
ストーリーは、いたずら好きな7歳の少年マックスが、母親とケンカをして家を飛び出し、船に乗って何日も海に渡り、やがてかいじゅうたちの住む島に辿り着く。
彼らの王様になったマックスは、かいじゅうたちと一緒にみんなが幸せになれる世界を築こうとするファンタジー映画だ。
子供と毛むくじゃらの奇妙な”かいじゅう”達のこの映画は、ただのお子ちゃま映画ではない。
大体、かいじゅうたちはトトロのように可愛いいわけでもないが、みんな何か困ったような何とも言えない表情をしているのが非常に良い!( ̄∀ ̄)
しかも、みんな一癖あって、最初マックスを『喰っちまおうぜ!』とか詰め寄ったりするが、マックスに『僕は王様だから、そんなこと言っちゃあダメだよ』と言われるとすぐに納得してしまような憎めない奴らだ。
実際かいじゅう達は、王様を必要としていた。
それぞれ色んな悩みみたいものを抱えていて、自分たちでは何も決められずオロオロしているところに、突然現れたマックスが王様だと聞いて彼らは大喜びする。
マックスが彼らの前に現れた時、リーダー格の暴れん坊だけど本当は優しいキャロルと、理知的でクールなCJ間には、軋轢が生じていた。
キャロルは腹いせに仲間の住む家をぶっ壊すが、まわりのかいじゅう達は、ただオロオロとするだけで何もできない。
彼らの望みは、ただ、昔みたいにみんな仲良く遊んで、重なり合って眠ることだけなのに( ´ρ`).。o○
島の荒涼とした砂漠や砂浜や森は、少年の心象風景なんだろう。
かいじゅうたちは子供から見た大人のメタファーかもしれないし、少年の心の奥にある残酷性の現れなのかもしれない。
この映画はその辺の表現が卓越していて、少年特有の危なっかしさとか、残酷性を実に上手く表現している。
例えば、かいじゅうたちが王様のマックスの指示で、踊りを踊ったり、泥団子合戦をやったりする時、鋭い爪で木を引っ掻き、森の木をなぎ倒し、仲間のかいじゅうをおもいっきり放り投げ、相手の頭をめがけて泥団子を投げつけ吹っ飛ばしたり、大人が見ていたら、危ないってΣ(`□´ ;)!!って、怒られるようなことばっかりする。
うちの悪ガキ小僧の息子や近所の腕白小僧も、そして、かつてのオイラもみんな、一歩間違えたら死んじゃうぞというような事をやるものだ。
オイラもガキの頃は、友達と崖から飛び降りたり、隣接する雑居ビルの屋上から隣のビルの屋上に飛び移ってみたり、今考えるとよく死ななかったと冷や汗がでるようなことばかりしていた(;´Д`)
これは、かつて少年だった大人ための映画かもしれない。みんな心の中に、かいじゅうたちがいたのかも(´∇`)
でも、この映画は決してホノボノだけではない毒がある。そこがいい。
特にいいのは、ラストのマックスが船に乗って帰るシーンで、日本のアニメだったら、なんか感動的なシーンにしがちなんだけど、キャロルが気の利いたセリフなんか、一切言わないところが実にいい( ̄∀ ̄)
お勧め!!だけど、面白いかどうかは、見る人がどんな子供時代を過ごして来たかとかで、変わるような気がする。
2010年02月07日
『サロゲート』レビュー
『サロゲート』
製作年 2009(アメリカ)89分
監督:ジョナサン・モストウ
キャスト:ブルース・ウィリス ラダ・ミッチェル ロザムンド・パイク
レビュー(☆☆)
最近、本当に忙しくて、熱帯魚の水槽は藻が生えても水を換える時間もなく、もちろんテレビなんて、ここ何日間は1秒も見ていない。
今でこそ、オイラは冬はスノーボーに行ったりしているが、元々はインドア派なので、冬は家の中に引きこもっていたい。
できれば、冬だけではなく、ずっと、引きこもって本を読んだり、レンタルDVD借りてみたり、もう一生観る事も不可能と思われるほど録りためたTVドラマやスペシャル番組やらを見ていたい。できれば、TVゲームとかやって、『あ〜暇だ〜(´∇`)』とか言ってみたい。
と思いつつ、忙しいのに、SF『サロゲート』を観た。ストーリーは、近未来に人類の98パーセントが「サロゲート」と呼ばれる自分の分身ロボットを、自宅から遠隔操作することで生活しているって話なんだけど、自分で遠隔操作しなきゃならないなら、ずっと忙しいままじゃん( ̄○ ̄)と思い、あんまり羨ましい未来ではないなあと思いながら観た。
この映画の最高に素晴らしい所は、たった89分でサクッと終わるところ(笑)
なにせ忙しいんで一言で言うと、10年前ならCGも内容もスゲーと思ったかもしれない話も、今では陳腐にみえてしまうんだけど、余計なファイトシーンとか、カーチェイスとかなくて、スピーディーに話が進む分、深みってものが全くない映画だな( ´⊿`)y-~~
ブルース・ウィリスもなんか、力抜いているって印象なんだけど、彼が出ていなかったら、金の掛かったB級映画になったかな。
つまり、ブルース・ウィリスのお陰で、引き締まったって感じの映画。
製作年 2009(アメリカ)89分
監督:ジョナサン・モストウ
キャスト:ブルース・ウィリス ラダ・ミッチェル ロザムンド・パイク
レビュー(☆☆)
最近、本当に忙しくて、熱帯魚の水槽は藻が生えても水を換える時間もなく、もちろんテレビなんて、ここ何日間は1秒も見ていない。
今でこそ、オイラは冬はスノーボーに行ったりしているが、元々はインドア派なので、冬は家の中に引きこもっていたい。
できれば、冬だけではなく、ずっと、引きこもって本を読んだり、レンタルDVD借りてみたり、もう一生観る事も不可能と思われるほど録りためたTVドラマやスペシャル番組やらを見ていたい。できれば、TVゲームとかやって、『あ〜暇だ〜(´∇`)』とか言ってみたい。
と思いつつ、忙しいのに、SF『サロゲート』を観た。ストーリーは、近未来に人類の98パーセントが「サロゲート」と呼ばれる自分の分身ロボットを、自宅から遠隔操作することで生活しているって話なんだけど、自分で遠隔操作しなきゃならないなら、ずっと忙しいままじゃん( ̄○ ̄)と思い、あんまり羨ましい未来ではないなあと思いながら観た。
この映画の最高に素晴らしい所は、たった89分でサクッと終わるところ(笑)
なにせ忙しいんで一言で言うと、10年前ならCGも内容もスゲーと思ったかもしれない話も、今では陳腐にみえてしまうんだけど、余計なファイトシーンとか、カーチェイスとかなくて、スピーディーに話が進む分、深みってものが全くない映画だな( ´⊿`)y-~~
ブルース・ウィリスもなんか、力抜いているって印象なんだけど、彼が出ていなかったら、金の掛かったB級映画になったかな。
つまり、ブルース・ウィリスのお陰で、引き締まったって感じの映画。
2010年02月07日
『キャピタリズム~マネーは踊る~』レビュー
『キャピタリズム~マネーは踊る~』
製作年 2009(アメリカ)120分
監督:マイケル・ムーア
キャスト:マイケル・ムーア
レビュー(☆☆☆)
マイケル・ムーアは、これまでにアポなし突撃取材で、アメリカが抱える様々な問題に鋭いメスを入れてきた。
銃規制問題の『ボウリング・フォー・コロンバイン』、当時のブッシュ政権を痛烈に批判した『華氏911』、
『シッコ』では医療制度の矛盾を。。。
「100年に一度」と呼ばれる世界同時不況でGMは倒産し、失業者は溢れ、ローンの滞納で自宅から追い出される人々が急増する一方で、その原因を作った、投資銀行や保険会社は公的資金で救われ、しかも、役員達は1億円以上のボーナスを手にしているという。
マイケル・ムーアが今回取り上げたテーマは、資本主義という巨大なシステムだ。
今回も彼はアポなしでウォール街の投資会社や銀行に税金を返せと乗り込むが、もはや彼は有名になり過ぎて、天下の宝刀”
アポなし取材”で敵を捉える事は出来ず、銀行の玄関で警備員相手にパフォーマンス的なアジテートをするしかない。
「キャピタリズム(資本主義)」とは、「合法化された強欲なシステムのことだ」と彼は指摘する。
「テーブルに10切れのパイがあって、ひとりの人間がその9切れを自分のものだと言い、残りの9人が残った1切れを奪い合う。それは間違いだ」と
以前、英会話の番組を見ていたら、解説のおじさんが『”それはアンフェアだよ”というのは、アメリカでは少し子どもっぽい
いいかたなので、あまり使わないほうがいいですね。なぜなら、世の中は不公平なものだから』みたいなことを言っていたのを思い出した。
ホワイトハウスや連邦議会をも意のままに操るウォール街のエリートたちに、『お前らだけ9切れパイを取るのは不公平だ』と
訴えても、彼らは『なにを馬鹿みたいなこといってるんだ?世の中は不公平なものだんだよ』とせせら笑われるだけだろう。
ハーバード大学などの有名校を卒業したエリートたちは、その明晰な頭脳を駆使して、ピラミッド構造の頂点へと
金が流れるシステムを作り出していく。
例えば、金融専門家も説明できないデリバティブ(金融派生商品)だ。頭脳明晰なエリート達は、専門家ですら理解不能な数式を使い、ピラミッドの下層から頂点へ金が流れる複雑なシステムを作った。
低所得者が組んだサブプライムローンが破綻し、世界中にバラまかれた詐欺的な金融商品が世界の経済を混乱に落とし入れても、
複雑なシステムのお陰で、その金がキッチリ強欲な資本家達の懐を肥やし、ローンを滞納した者は、銀行に家を差し押さえられて、
ホームレスになってしまう。
では、家を差し押さえた銀行も、その一味かと言うとそうでもない。銀行もまた、強欲な資本家たちに金を運ぶ中間業者でしかない。
あくまでも、「9切れのパイを強欲な奴らが奪い、残りの1切れその他の人間が奪い合う」だけに過ぎない。
しかし!とオイラは言いたい( ゚д゚ )!。
あの『おとぼけサル顔』のジョージ・ブッシュを2回も選んでおいて、そりゃあ、自業自得じゃね?と( ̄‥ ̄) = =3
原油が高騰した時にブッシュは、『石油の代わりにバイオ燃料作ればいいじゃん』と『おとぼけサル顔』でおっしゃっていたが、大型のSUVをたった1回、満タンにできるバイオ燃料を作るには、アフリカの飢餓で苦しむ地域の一家族が数ヶ月間食べていける量のトウモロコシを必要とする。
しかし、強欲な投資家には、そんな事は関係ない。今回の映画で、マイケル・ムーアが会う事すらできなかった強欲な資本家の代表
みたいな奴がブッシュだ。
地球の温度が上昇しようが、世界のどこかで自分の知らない誰かが餓死しようが、ローンを払えなくてホームレスになろうが、
自分たちにはどうでもいい事だから。。。。
無知は罪だ。本質を知ろうともせず、何も考えもしないと、いつの間にか、ずる賢い奴らの片棒を担ぐ羽目になるかもしれないし、
搾取され彼らに金を運ぶ道具のような扱いを受けるかもしれない。
ところで、日本はどうですか?高速道路が、只になったと浮かれて、大した用もないのに車で遠出して喜んでいて、本当に大丈夫!?
続きを読む
製作年 2009(アメリカ)120分
監督:マイケル・ムーア
キャスト:マイケル・ムーア
レビュー(☆☆☆)
マイケル・ムーアは、これまでにアポなし突撃取材で、アメリカが抱える様々な問題に鋭いメスを入れてきた。
銃規制問題の『ボウリング・フォー・コロンバイン』、当時のブッシュ政権を痛烈に批判した『華氏911』、
『シッコ』では医療制度の矛盾を。。。
「100年に一度」と呼ばれる世界同時不況でGMは倒産し、失業者は溢れ、ローンの滞納で自宅から追い出される人々が急増する一方で、その原因を作った、投資銀行や保険会社は公的資金で救われ、しかも、役員達は1億円以上のボーナスを手にしているという。
マイケル・ムーアが今回取り上げたテーマは、資本主義という巨大なシステムだ。
今回も彼はアポなしでウォール街の投資会社や銀行に税金を返せと乗り込むが、もはや彼は有名になり過ぎて、天下の宝刀”
アポなし取材”で敵を捉える事は出来ず、銀行の玄関で警備員相手にパフォーマンス的なアジテートをするしかない。
「キャピタリズム(資本主義)」とは、「合法化された強欲なシステムのことだ」と彼は指摘する。
「テーブルに10切れのパイがあって、ひとりの人間がその9切れを自分のものだと言い、残りの9人が残った1切れを奪い合う。それは間違いだ」と
以前、英会話の番組を見ていたら、解説のおじさんが『”それはアンフェアだよ”というのは、アメリカでは少し子どもっぽい
いいかたなので、あまり使わないほうがいいですね。なぜなら、世の中は不公平なものだから』みたいなことを言っていたのを思い出した。
ホワイトハウスや連邦議会をも意のままに操るウォール街のエリートたちに、『お前らだけ9切れパイを取るのは不公平だ』と
訴えても、彼らは『なにを馬鹿みたいなこといってるんだ?世の中は不公平なものだんだよ』とせせら笑われるだけだろう。
ハーバード大学などの有名校を卒業したエリートたちは、その明晰な頭脳を駆使して、ピラミッド構造の頂点へと
金が流れるシステムを作り出していく。
例えば、金融専門家も説明できないデリバティブ(金融派生商品)だ。頭脳明晰なエリート達は、専門家ですら理解不能な数式を使い、ピラミッドの下層から頂点へ金が流れる複雑なシステムを作った。
低所得者が組んだサブプライムローンが破綻し、世界中にバラまかれた詐欺的な金融商品が世界の経済を混乱に落とし入れても、
複雑なシステムのお陰で、その金がキッチリ強欲な資本家達の懐を肥やし、ローンを滞納した者は、銀行に家を差し押さえられて、
ホームレスになってしまう。
では、家を差し押さえた銀行も、その一味かと言うとそうでもない。銀行もまた、強欲な資本家たちに金を運ぶ中間業者でしかない。
あくまでも、「9切れのパイを強欲な奴らが奪い、残りの1切れその他の人間が奪い合う」だけに過ぎない。
しかし!とオイラは言いたい( ゚д゚ )!。
あの『おとぼけサル顔』のジョージ・ブッシュを2回も選んでおいて、そりゃあ、自業自得じゃね?と( ̄‥ ̄) = =3
原油が高騰した時にブッシュは、『石油の代わりにバイオ燃料作ればいいじゃん』と『おとぼけサル顔』でおっしゃっていたが、大型のSUVをたった1回、満タンにできるバイオ燃料を作るには、アフリカの飢餓で苦しむ地域の一家族が数ヶ月間食べていける量のトウモロコシを必要とする。
しかし、強欲な投資家には、そんな事は関係ない。今回の映画で、マイケル・ムーアが会う事すらできなかった強欲な資本家の代表
みたいな奴がブッシュだ。
地球の温度が上昇しようが、世界のどこかで自分の知らない誰かが餓死しようが、ローンを払えなくてホームレスになろうが、
自分たちにはどうでもいい事だから。。。。
無知は罪だ。本質を知ろうともせず、何も考えもしないと、いつの間にか、ずる賢い奴らの片棒を担ぐ羽目になるかもしれないし、
搾取され彼らに金を運ぶ道具のような扱いを受けるかもしれない。
ところで、日本はどうですか?高速道路が、只になったと浮かれて、大した用もないのに車で遠出して喜んでいて、本当に大丈夫!?
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2010年01月26日
『 アバター』3D日本語吹き替え版で再レビュー
『 アバター』
製作年 2009(アメリカ)162分
カテゴリー:SF
監督・脚本・製作総指揮: ジェームズ・キャメロン
キャスト: サム・ワーシントン/ゾーイ・サルダナ/シガーニー・ウィーバー/ スティーヴン・ラング、他
レビュー(☆☆☆☆☆)
『アバター(3D 日本語吹き替え版)』を
MOVIX橋本のメンズデイ1200円で観た。
前回、2D英語版のレビューで書いた時よりも、
<3D日本語吹き替え版>の方より楽しめたし、前回の2D版のレビューでは、
”後半が通俗的な感じでちょっと期待はずれ”と書いたが、
今回は戦いの後の、『あなたが見える』というのシーンの、
全く違う生命体同士の魂の繋がりの描写に深い感動を覚えた。
2D英語版では、そんなに印象に無かったシーンだったが、
たぶん、圧倒的な映像に目を奪われ、字幕の情報まで頭の中に入ってきていなくて、
伏線となる『見えるとは、どういうことだろう?』みたいなセリフを
見落としていなかったのかもしれない。
しかも、前回はあんなに長い映画だとは思わず、前半にジュースを飲み過ぎて、
ラスト近くにはトイレに行きたくて仕方なかったという
情けない状態だったし。。。(;´д`)トホホ…
やはりこの映画は3Dで観るべきだと思う。
さらに映像に集中したいなら、日本語吹き替え版がお勧め(○ ̄∀ ̄)ノ
それにしても、あの3D眼鏡は、もっと改良する必要があるなあ(@_@)
自分の眼鏡の上から、162分間3D眼鏡掛けるのは、
ちょっとキツいっす(+_+)
それに、オリジナルの3D映像を観たいなら、
日本に数館しかないアイマックスシアターでしか観られないらしい。
(オイラが通う英会話の先生エリックの情報)
ちなみに英会話の先生エリック曰く。
『これはSF版 "ダンス・ウィズ・ウルブズだね”(日本語訳)』
ん〜( ´⊿`)y-~~確かに( ゚д゚ )!
製作年 2009(アメリカ)162分
カテゴリー:SF
監督・脚本・製作総指揮: ジェームズ・キャメロン
キャスト: サム・ワーシントン/ゾーイ・サルダナ/シガーニー・ウィーバー/ スティーヴン・ラング、他
レビュー(☆☆☆☆☆)
『アバター(3D 日本語吹き替え版)』を
MOVIX橋本のメンズデイ1200円で観た。
前回、2D英語版のレビューで書いた時よりも、
<3D日本語吹き替え版>の方より楽しめたし、前回の2D版のレビューでは、
”後半が通俗的な感じでちょっと期待はずれ”と書いたが、
今回は戦いの後の、『あなたが見える』というのシーンの、
全く違う生命体同士の魂の繋がりの描写に深い感動を覚えた。
2D英語版では、そんなに印象に無かったシーンだったが、
たぶん、圧倒的な映像に目を奪われ、字幕の情報まで頭の中に入ってきていなくて、
伏線となる『見えるとは、どういうことだろう?』みたいなセリフを
見落としていなかったのかもしれない。
しかも、前回はあんなに長い映画だとは思わず、前半にジュースを飲み過ぎて、
ラスト近くにはトイレに行きたくて仕方なかったという
情けない状態だったし。。。(;´д`)トホホ…
やはりこの映画は3Dで観るべきだと思う。
さらに映像に集中したいなら、日本語吹き替え版がお勧め(○ ̄∀ ̄)ノ
それにしても、あの3D眼鏡は、もっと改良する必要があるなあ(@_@)
自分の眼鏡の上から、162分間3D眼鏡掛けるのは、
ちょっとキツいっす(+_+)
それに、オリジナルの3D映像を観たいなら、
日本に数館しかないアイマックスシアターでしか観られないらしい。
(オイラが通う英会話の先生エリックの情報)
ちなみに英会話の先生エリック曰く。
『これはSF版 "ダンス・ウィズ・ウルブズだね”(日本語訳)』
ん〜( ´⊿`)y-~~確かに( ゚д゚ )!
2009年12月31日
『THE 4TH KIND フォース・カインド』レビュー
『 THE 4TH KIND フォース・カインド』
製作年 2009(アメリカ)99分
監督:オラトゥンデ・オスンサンミ
キャスト:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ウィル・パットン、イライアス・コーティーズ
レビュー(☆☆☆)
なんの予備知識もなしで『フォース・カインド』を観た。
ストーリーは 2000年10月 アラスカ州ノーム在住の心理学者アビゲイル・タイラー博士のもとに、不眠症を 訴える住民が次々に訪れる。タイラー博士は、催眠療法で彼らが眠れない理由を解明しようとしたが、記録用に撮れたビデオ映像に、残された衝撃的な映像が。。。。という内容で実際の事件を役者が演じる再現映像に"記録映像"や"実在する録音テープの音声"が挿入される形式で進んで行く。
予備知識もなく観に行ったが、映画が始まってすぐに『THE 4TH KIND』とは、宇宙人による誘拐の話だと気がついた。子供の頃から、矢追純一のUFO特番をチェックしてきたオイラにも、 この映画の"記録映像"のパートは衝撃的な内容だった。もしテレビで特番を組んだら、高視聴率を取れる内容だと思うが、この事件や劇中の "記録映像"や登場人物が実在のものかは???
オイラの友達は、クリスマスに彼女とこの映画を観に行って、彼女に「こんなつまんねー映画見せやがって(#゚Д゚)!!」と途中退場して怒られて、お詫びに高額なクリスマスプレゼントを無理やり買わせれたという、映画以上に怖い事件になったと愚痴っていた。(しかも、映画代は友達が払ったのに。。。(;´д`)トホホ…)
この映画の内容の信憑性については良く知らないが、オイラの映画をみるスタイルは、”例えそれが荒唐無稽な話でも、映画の中では真実”というスタンスで常に映画を観ているし、その方が映画を楽しめるので、勿論、この映画の"記録映像"や事件も本当に起こったこととして観たので、UFO好きのオイラにはとっては、面白い内容だった。でも、結構、突っ込み所はある映画だが。。。
それにしても、この手の超常現象とか宇宙人とか全否定する人がいるが、普通の人はそんな良く解らないものは『まあ、そんなこともあるんじゃね?』程度の反応だが、全否定派の過剰反応には参ってしまう。
昔、友達にテレビの特番でみた宇宙人の解剖映像の話を酒を飲みながら話したら、『そんなテレビ局がねつ造した、ホラ話を真に受けるな!』と激昂されたことがあるが、この映画は決してその手の人と観に行ってはいけない。
最悪の場合、お詫びに高額なプレゼントを無理やり買わせられ散財させられる事件に発展するかもしれないから
製作年 2009(アメリカ)99分
監督:オラトゥンデ・オスンサンミ
キャスト:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ウィル・パットン、イライアス・コーティーズ
レビュー(☆☆☆)
なんの予備知識もなしで『フォース・カインド』を観た。
ストーリーは 2000年10月 アラスカ州ノーム在住の心理学者アビゲイル・タイラー博士のもとに、不眠症を 訴える住民が次々に訪れる。タイラー博士は、催眠療法で彼らが眠れない理由を解明しようとしたが、記録用に撮れたビデオ映像に、残された衝撃的な映像が。。。。という内容で実際の事件を役者が演じる再現映像に"記録映像"や"実在する録音テープの音声"が挿入される形式で進んで行く。
予備知識もなく観に行ったが、映画が始まってすぐに『THE 4TH KIND』とは、宇宙人による誘拐の話だと気がついた。子供の頃から、矢追純一のUFO特番をチェックしてきたオイラにも、 この映画の"記録映像"のパートは衝撃的な内容だった。もしテレビで特番を組んだら、高視聴率を取れる内容だと思うが、この事件や劇中の "記録映像"や登場人物が実在のものかは???
オイラの友達は、クリスマスに彼女とこの映画を観に行って、彼女に「こんなつまんねー映画見せやがって(#゚Д゚)!!」と途中退場して怒られて、お詫びに高額なクリスマスプレゼントを無理やり買わせれたという、映画以上に怖い事件になったと愚痴っていた。(しかも、映画代は友達が払ったのに。。。(;´д`)トホホ…)
この映画の内容の信憑性については良く知らないが、オイラの映画をみるスタイルは、”例えそれが荒唐無稽な話でも、映画の中では真実”というスタンスで常に映画を観ているし、その方が映画を楽しめるので、勿論、この映画の"記録映像"や事件も本当に起こったこととして観たので、UFO好きのオイラにはとっては、面白い内容だった。でも、結構、突っ込み所はある映画だが。。。
それにしても、この手の超常現象とか宇宙人とか全否定する人がいるが、普通の人はそんな良く解らないものは『まあ、そんなこともあるんじゃね?』程度の反応だが、全否定派の過剰反応には参ってしまう。
昔、友達にテレビの特番でみた宇宙人の解剖映像の話を酒を飲みながら話したら、『そんなテレビ局がねつ造した、ホラ話を真に受けるな!』と激昂されたことがあるが、この映画は決してその手の人と観に行ってはいけない。
最悪の場合、お詫びに高額なプレゼントを無理やり買わせられ散財させられる事件に発展するかもしれないから
2009年12月25日
『アバター』レビュー
『 アバター』
製作年 2009(アメリカ)162分
カテゴリー:SF
監督・脚本・製作総指揮: ジェームズ・キャメロン
キャスト: サム・ワーシントン/ゾーイ・サルダナ/シガーニー・ウィーバー/ スティーヴン・ラング、他
レビュー(☆☆☆☆☆)
『タイタニック』以来12年振りのジェームズ・キャメロン監督最新作
『アバター(原題:AVATAR)』をMOVIX橋本のメンズデイ1000円で観た。
今回は時間が合わなかったため2D版を観たが、構想に14年、
製作に4年を費やしたこの映像は革命的で圧倒的に美しい。
まさに誰も観た事がない光景に圧倒された。
(松本人志監督が映画『しんぼる』で誰も観た事がない映画を撮るとか撮ったとか、
息巻いていたが、誰も観た事がない映像とはこういう映像の事を言うんだよ!余談ですが。。。)
ストーリー的には、惑星パンドラの生物・ナヴィの部族に受け入れられたアバターが、
ナヴィの少女ネイティリと出会い彼女から色々なことを教わり
成長するという中盤までは、壮大で幻想的な映像に目を奪われるが、
やがてナヴィと恋におちる当たりからストーリーは一気に通俗的な様相になり、
後半の人類とナヴィの戦いの当たりは、なんか陳腐な話になってきて、
ちょっと残念な気分になってしまった ( ̄‥ ̄) = =3
個人的にこの手のストーリーは、スターウォーズとかで散々使い古された話なんで、
『もういいっす』って感じで、別の切り口のSF映画を期待していたが、
中盤まではストーリーもアイデアも映像も最高だった分、
『やっぱりここが落とし処かあ』と、ちょっと期待外れな感じがした。
5光年先の惑星にまで行ける未来になっても、”会社の利益”とか
”株主の利益が・・・”とか言ってないような気がするが、
個人的に気に入らない後半部を差し引いても、有り余る素晴らしさと
独創性を持った革命的な映像を、劇場の巨大なスクリーンで見るべきだ。
家のTVでみたら面白さはマイナス50%だよ
次は子供と一緒に、今度は3D(吹き替え版)を観に行きます。
でも、いいよね〜。今の子供はこんな凄い映像を3Dで観ることができて
『アバター』3D日本語吹き替え版レビューはコチラから
製作年 2009(アメリカ)162分
カテゴリー:SF
監督・脚本・製作総指揮: ジェームズ・キャメロン
キャスト: サム・ワーシントン/ゾーイ・サルダナ/シガーニー・ウィーバー/ スティーヴン・ラング、他
レビュー(☆☆☆☆☆)
『タイタニック』以来12年振りのジェームズ・キャメロン監督最新作
『アバター(原題:AVATAR)』をMOVIX橋本のメンズデイ1000円で観た。
今回は時間が合わなかったため2D版を観たが、構想に14年、
製作に4年を費やしたこの映像は革命的で圧倒的に美しい。
まさに誰も観た事がない光景に圧倒された。
(松本人志監督が映画『しんぼる』で誰も観た事がない映画を撮るとか撮ったとか、
息巻いていたが、誰も観た事がない映像とはこういう映像の事を言うんだよ!余談ですが。。。)
ストーリー的には、惑星パンドラの生物・ナヴィの部族に受け入れられたアバターが、
ナヴィの少女ネイティリと出会い彼女から色々なことを教わり
成長するという中盤までは、壮大で幻想的な映像に目を奪われるが、
やがてナヴィと恋におちる当たりからストーリーは一気に通俗的な様相になり、
後半の人類とナヴィの戦いの当たりは、なんか陳腐な話になってきて、
ちょっと残念な気分になってしまった ( ̄‥ ̄) = =3
個人的にこの手のストーリーは、スターウォーズとかで散々使い古された話なんで、
『もういいっす』って感じで、別の切り口のSF映画を期待していたが、
中盤まではストーリーもアイデアも映像も最高だった分、
『やっぱりここが落とし処かあ』と、ちょっと期待外れな感じがした。
5光年先の惑星にまで行ける未来になっても、”会社の利益”とか
”株主の利益が・・・”とか言ってないような気がするが、
個人的に気に入らない後半部を差し引いても、有り余る素晴らしさと
独創性を持った革命的な映像を、劇場の巨大なスクリーンで見るべきだ。
家のTVでみたら面白さはマイナス50%だよ
次は子供と一緒に、今度は3D(吹き替え版)を観に行きます。
でも、いいよね〜。今の子供はこんな凄い映像を3Dで観ることができて
『アバター』3D日本語吹き替え版レビューはコチラから
2009年12月23日
『2012』レビュー
『2012』
製作年 2009(アメリカ)158分
カテゴリー:ディザスター・ムービー
監督・脚本・製作総指揮: ローランド・エメリッヒ
キャスト:ジョン・キューザック、アマンダ・ピート、ダニー・グローヴァー、オリヴァー・プラット、タンディ・ニュートン、キウェテル・イジョフォー、ウディ・ハレルソン、ジョン・ビリングスレイ、他
レビュー(☆☆☆)
この映画を観る前にオイラは『超ラッキーなアメリカ人の一家が、地球規模の災害から運だけで生き延びる映画だったら怒るぜ』と思っていたが、全くその通りの映画だった。┌(_∀_;)┐ ギャフンッ!
未だに、この手の金の掛かったハリウッドの大作映画を目の敵にしているインテリぶった映画オタクや、低予算の陳腐な映画しかとれない日本の監督とかいるけど、イマジネーション無さ過ぎだぜヾ( ̄o ̄;)
オイラは、レイトショー料金たった1200円で世界の終わりを疑似体験できるこの映画は、コストパフォーマンス的に最高だと思うが(´∀`)
ストーリーは、2012年にマヤの予言通りに世界が滅びるんだけど、それがたった数日間という猛スピードぶり( ̄○ ̄)早!
なんせカリフォルニアなんかたった数時間で海の底に沈んでしまうんだから(;´Д`)
地面はひび割れ、高層ビルは崩れ落ち、一気に崩壊する大都市を、スーパー超ラッキーな主人公の男とその家族が乗る車は、上手く危険をすり抜け、小型飛行機で脱出するが、助かる唯一の方法はチベットで密かに建造された現代版ノアの箱船に乗る事のみ。
彼らは秘密の地図を手に入れ、途中金持ちの知り合いの輸送機に乗せてもらうが、経由地のハワイが火山の溶岩で覆われ、着陸できず燃料切れで海に不時着するはめになってしまうが、超スーパーラッキーな事に、地殻変動で中国大陸が何千キロも移動していて、彼らは現代版ノアの箱船のすぐ近くまでたどり着く。(どんだけ運がいいんだよ!!ヾ( ̄o ̄;)オイオイ)
ちょっと上映時間が長いけど、ただひたすら崩壊する地球の映像を運を頼りに疑似体験しよう!!もう乗り飽きた東京ディズニーランドのジョットコースーより楽しめる、エキサイティングなジェットコスーター的パニック映画。おすすめ(´∀`)
続きを読む
製作年 2009(アメリカ)158分
カテゴリー:ディザスター・ムービー
監督・脚本・製作総指揮: ローランド・エメリッヒ
キャスト:ジョン・キューザック、アマンダ・ピート、ダニー・グローヴァー、オリヴァー・プラット、タンディ・ニュートン、キウェテル・イジョフォー、ウディ・ハレルソン、ジョン・ビリングスレイ、他
レビュー(☆☆☆)
この映画を観る前にオイラは『超ラッキーなアメリカ人の一家が、地球規模の災害から運だけで生き延びる映画だったら怒るぜ』と思っていたが、全くその通りの映画だった。┌(_∀_;)┐ ギャフンッ!
未だに、この手の金の掛かったハリウッドの大作映画を目の敵にしているインテリぶった映画オタクや、低予算の陳腐な映画しかとれない日本の監督とかいるけど、イマジネーション無さ過ぎだぜヾ( ̄o ̄;)
オイラは、レイトショー料金たった1200円で世界の終わりを疑似体験できるこの映画は、コストパフォーマンス的に最高だと思うが(´∀`)
ストーリーは、2012年にマヤの予言通りに世界が滅びるんだけど、それがたった数日間という猛スピードぶり( ̄○ ̄)早!
なんせカリフォルニアなんかたった数時間で海の底に沈んでしまうんだから(;´Д`)
地面はひび割れ、高層ビルは崩れ落ち、一気に崩壊する大都市を、スーパー超ラッキーな主人公の男とその家族が乗る車は、上手く危険をすり抜け、小型飛行機で脱出するが、助かる唯一の方法はチベットで密かに建造された現代版ノアの箱船に乗る事のみ。
彼らは秘密の地図を手に入れ、途中金持ちの知り合いの輸送機に乗せてもらうが、経由地のハワイが火山の溶岩で覆われ、着陸できず燃料切れで海に不時着するはめになってしまうが、超スーパーラッキーな事に、地殻変動で中国大陸が何千キロも移動していて、彼らは現代版ノアの箱船のすぐ近くまでたどり着く。(どんだけ運がいいんだよ!!ヾ( ̄o ̄;)オイオイ)
ちょっと上映時間が長いけど、ただひたすら崩壊する地球の映像を運を頼りに疑似体験しよう!!もう乗り飽きた東京ディズニーランドのジョットコースーより楽しめる、エキサイティングなジェットコスーター的パニック映画。おすすめ(´∀`)
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2009年12月23日
『イングロリアス・バスターズ』レビュー
『イングロリアス・バスターズ』
製作年 2009(アメリカ)152分
カテゴリー:戦争/アクション
監督・製作・脚本 クエンティン・タランティーノ
キャスト:ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツ、イーライ・ロス、マイケル・ファスベンダー、ダイアン・クルーガー、ダニエル・ブリュール、他
レビュー(☆☆☆☆)
アメリカでは『パルプ・フィクション』以来の大ヒットになった『イングロリアス・バスターズ』も日本では、たった3週目で打ち切りになってしまった。
ブラッド・ピット主演でも、12月公開の”お子ちゃま”映画に押されて、戦争映画は敬遠されたからか?
オイラは公開初日に見たが、師走は何かと忙しくて公開終了後の記事アップになってしまった( ̄o ̄;)
『イングロリアス・バスターズ』は第2次世界大戦下のナチスやユダヤ人の惨殺等を描いているが、普通の戦争映画ではない。戦争映画のカテゴリーに入れてしまうのは無理矢理のような気もする。
タランティーノが、たまたまやってみたいジャンルが戦争映画だっただけで、戦争の本質を描こうなどとは微塵もないような、史実も完全無視のクエンティン・タランティーノがやりたい放題やっている映画だ。
当然タランティーノの18番の”おしゃべり”が延々と続いて、『お前(タランティーノ)が脚本の会話を書くセンスがあるのは判ったから、おしゃべりはそのくらいにして早く話を進めてくれよ』と何度か思ってしまったが、今回に限っては、ダイアローグのシーンが重要なパートを占めていて、長い会話から派生する緊張感がスリリングな展開となっている。
しかも、アメリカ映画には非常に稀な、登場人物の母国語での会話となっているのには、さすがタランティーノと感心した。
映画ファンなら誰しも、アメリカ映画に出てくる英語圏以外の登場人物が流暢な英語を話す不自然さを感じたことがあると思うが、今回の映画では、アメリカ人の秘密部隊がドイツの片田舎のバーでドイツ人の女スパイと会うシーンで、ナチスの兵士にドイツ語の妙なアクセントを見破られるくだりは、英語のみの戦争映画では決して描けなかったシーンだ。
全ての戦争映画は反戦映画であるべきだとオイラは思うが、タランティーノは反戦なんて、まどろっこしいことなんかには、ちっとも興味がないように ブラッド・ピット演じる、どこか間の抜けた能天気な特殊部隊のリーダーに、ナチスを次々に血祭りにあげさせ、しかも頭の皮を剥ぐという念の入れよう。
残酷なシーンもあるが、ただ残忍なだけではないタランティーノのエッセンスみたいなものが随所に散りばめれて、思わずニヤリとしてしまう場面も多々あった。
あとユダヤハンターの異名を持つランダ大佐を演じるクリストフ・ヴァルツがいいね
ストーリーは1944年、ドイツ占領下のフランスで、ユダヤハンターの異名を持つナチスのランダ大佐と彼に家族を殺された映画館主のミミューの復讐劇に、レイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊が絡む映画。
ちなみにアメリカで、この映画が大ヒットした要因は、ユダヤ人の老人たちが、プラピがナチスを血祭りにあげるのを大喜びして観たからだと言う噂があったとか、なかったとか(^_^ゞ
劇場でみれなかった人は、DVDで。
製作年 2009(アメリカ)152分
カテゴリー:戦争/アクション
監督・製作・脚本 クエンティン・タランティーノ
キャスト:ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツ、イーライ・ロス、マイケル・ファスベンダー、ダイアン・クルーガー、ダニエル・ブリュール、他
レビュー(☆☆☆☆)
アメリカでは『パルプ・フィクション』以来の大ヒットになった『イングロリアス・バスターズ』も日本では、たった3週目で打ち切りになってしまった。
ブラッド・ピット主演でも、12月公開の”お子ちゃま”映画に押されて、戦争映画は敬遠されたからか?
オイラは公開初日に見たが、師走は何かと忙しくて公開終了後の記事アップになってしまった( ̄o ̄;)
『イングロリアス・バスターズ』は第2次世界大戦下のナチスやユダヤ人の惨殺等を描いているが、普通の戦争映画ではない。戦争映画のカテゴリーに入れてしまうのは無理矢理のような気もする。
タランティーノが、たまたまやってみたいジャンルが戦争映画だっただけで、戦争の本質を描こうなどとは微塵もないような、史実も完全無視のクエンティン・タランティーノがやりたい放題やっている映画だ。
当然タランティーノの18番の”おしゃべり”が延々と続いて、『お前(タランティーノ)が脚本の会話を書くセンスがあるのは判ったから、おしゃべりはそのくらいにして早く話を進めてくれよ』と何度か思ってしまったが、今回に限っては、ダイアローグのシーンが重要なパートを占めていて、長い会話から派生する緊張感がスリリングな展開となっている。
しかも、アメリカ映画には非常に稀な、登場人物の母国語での会話となっているのには、さすがタランティーノと感心した。
映画ファンなら誰しも、アメリカ映画に出てくる英語圏以外の登場人物が流暢な英語を話す不自然さを感じたことがあると思うが、今回の映画では、アメリカ人の秘密部隊がドイツの片田舎のバーでドイツ人の女スパイと会うシーンで、ナチスの兵士にドイツ語の妙なアクセントを見破られるくだりは、英語のみの戦争映画では決して描けなかったシーンだ。
全ての戦争映画は反戦映画であるべきだとオイラは思うが、タランティーノは反戦なんて、まどろっこしいことなんかには、ちっとも興味がないように ブラッド・ピット演じる、どこか間の抜けた能天気な特殊部隊のリーダーに、ナチスを次々に血祭りにあげさせ、しかも頭の皮を剥ぐという念の入れよう。
残酷なシーンもあるが、ただ残忍なだけではないタランティーノのエッセンスみたいなものが随所に散りばめれて、思わずニヤリとしてしまう場面も多々あった。
あとユダヤハンターの異名を持つランダ大佐を演じるクリストフ・ヴァルツがいいね
ストーリーは1944年、ドイツ占領下のフランスで、ユダヤハンターの異名を持つナチスのランダ大佐と彼に家族を殺された映画館主のミミューの復讐劇に、レイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊が絡む映画。
ちなみにアメリカで、この映画が大ヒットした要因は、ユダヤ人の老人たちが、プラピがナチスを血祭りにあげるのを大喜びして観たからだと言う噂があったとか、なかったとか(^_^ゞ
劇場でみれなかった人は、DVDで。
2009年11月20日
『脳内ニューヨーク』レビュー
『 脳内ニューヨーク』(原題:SYNECDOCHE,NEW YORK)
・製作年 2008(アメリカ)124分
・カテゴリー:アート系シネマ
・監督・製作・脚本 チャーリー・カウフマン
・製作 スパイク・ジョーンズ
・キャスト:フィリップ・シーモア・ホフマン、ミシェル・ウィリアムズ、サマンサ・モートン、キャスリーン・キーナー、エミリー・ワトソン
・レビュー(☆☆☆☆)
『マルコビッチの穴』『エターナル・サンシャイン』の天才脚本家チャーリー・カウフマンの初監督作品『脳内ニューヨーク』を渋谷シネマライズで観た。
かつてスタンリー・キューブリックは『ストーリーをリアルに語るのは、まどろっこし過ぎる』と語ったと何かの本で読んだ事がある。『リアリズムだけでは、生きる事や世界を表現できない』と言う理由らしいが、この映画は正にリアリズムだけで語る事のできない人生の何かを描いた映画だと思う。
映画というのは、言ってみれば、作り話の絵空事だ。しかし、その脚本家が考えだした作り話に力を与え観客の魂を揺さぶる映画にするには、スクリーンに映し出された”絵空事”を、現実に起きている出来事のように見せる必要がある。
その為に、本物の役者は、20kgも痩せたり、太ったりしなければならない。『レイジング・ブル』のロバート・デ・ニーロのように
<だから、邦画でどんな役柄でも同じ髪型で出演するニセ役者がいること自体信じられないし、映画を舐めきっている。それを許す制作側も同じ穴の狢だ。(余談だが。。。)>
映画のリアリズムとは、作り話の絵空事の嘘に本物の現実以上のパワーを与える要素なのだが、それを『ストーリーをリアルに語らず』『生きる事や世界を表現する』なんて離れ業をやってのけるのが、チャーリー・カウフマンの天才たる所以だ。
ストーリーは、妻と娘に逃げられた、孤独で常に死に怯えている中年の冴えない舞台演出家の男が、演劇界の天才賞マッカーサー・フェロー賞を受賞し莫大な賞金を基に、巨大な倉庫の中にニューヨークの街を再現して、その中に生きる人々の人生を表現しようという壮大なプロジェクトを思いつくという話だが、天才カウフマンは物語の中に映画的なトリックやマジックを散りばめ、現実と非日常、あるいは現実と妄想の間を行ったり来たりして、観る者を混沌とした世界に誘う。そこは深い霧の中にいるように、何が本当に起きたことなのか判らない、現実とも夢とも違う世界だ。現実と非日常の境界線はなくなり、そこにはリアリズムだけでは表現しきれない、ぼんやりとした人生の幻影みたいなモノが見えてくる。
人生には時として、あり得ないような出来事も現実に起こったりするものだ。事実、凡庸なオイラの人生でも、何度かそんな場面に遭遇したことがある。
例えば、会社に出勤しようと家を出て横断歩道を渡ろうとした時、反対側の横断歩道をでかい孔雀(くじゃく)が羽を広げて横断歩道を歩いていた。朝もや漂う早朝の横断歩道。点滅する青い信号の色。美しい羽を大きく広げた孔雀がスローモーションのように歩いて行く。まるで、夢の中のような出来事だが本当に目の当たりにしたことだ。
この映画は、観る者を選ぶ映画だが、かと言って小難しい映画でもない。根底には知的なユーモアがあり、悲観主義者の小心者の主人公が、思いもかけない出来事に翻弄されても、人生の真実をつかみ取ろうともがく姿を通して、観客も追体験できる映画だ。
天才と言えば、70年代に寺山修司が、新宿とかの街角の至る所に役者を配置して演技をさせたり、ビルの部屋をいくつも貸し切って、その中で役者に前衛的な状況劇を演じさせたりしていたが、観客は全体が見えないから何をやってりるのかさっぱりわからないという、この映画の主人公の発想と同じことを既に現実にやっていた。 天才の考えることはすごい。
あと、キューブリックも『アイズ・ワイド・シャット』で、ロンドンのスタジオにニューヨークの街を再現したのを思い出す。
それを考えると、この映画の発想もあながち、荒唐無稽な話ではないね。
・製作年 2008(アメリカ)124分
・カテゴリー:アート系シネマ
・監督・製作・脚本 チャーリー・カウフマン
・製作 スパイク・ジョーンズ
・キャスト:フィリップ・シーモア・ホフマン、ミシェル・ウィリアムズ、サマンサ・モートン、キャスリーン・キーナー、エミリー・ワトソン
・レビュー(☆☆☆☆)
『マルコビッチの穴』『エターナル・サンシャイン』の天才脚本家チャーリー・カウフマンの初監督作品『脳内ニューヨーク』を渋谷シネマライズで観た。
かつてスタンリー・キューブリックは『ストーリーをリアルに語るのは、まどろっこし過ぎる』と語ったと何かの本で読んだ事がある。『リアリズムだけでは、生きる事や世界を表現できない』と言う理由らしいが、この映画は正にリアリズムだけで語る事のできない人生の何かを描いた映画だと思う。
映画というのは、言ってみれば、作り話の絵空事だ。しかし、その脚本家が考えだした作り話に力を与え観客の魂を揺さぶる映画にするには、スクリーンに映し出された”絵空事”を、現実に起きている出来事のように見せる必要がある。
その為に、本物の役者は、20kgも痩せたり、太ったりしなければならない。『レイジング・ブル』のロバート・デ・ニーロのように
<だから、邦画でどんな役柄でも同じ髪型で出演するニセ役者がいること自体信じられないし、映画を舐めきっている。それを許す制作側も同じ穴の狢だ。(余談だが。。。)>
映画のリアリズムとは、作り話の絵空事の嘘に本物の現実以上のパワーを与える要素なのだが、それを『ストーリーをリアルに語らず』『生きる事や世界を表現する』なんて離れ業をやってのけるのが、チャーリー・カウフマンの天才たる所以だ。
ストーリーは、妻と娘に逃げられた、孤独で常に死に怯えている中年の冴えない舞台演出家の男が、演劇界の天才賞マッカーサー・フェロー賞を受賞し莫大な賞金を基に、巨大な倉庫の中にニューヨークの街を再現して、その中に生きる人々の人生を表現しようという壮大なプロジェクトを思いつくという話だが、天才カウフマンは物語の中に映画的なトリックやマジックを散りばめ、現実と非日常、あるいは現実と妄想の間を行ったり来たりして、観る者を混沌とした世界に誘う。そこは深い霧の中にいるように、何が本当に起きたことなのか判らない、現実とも夢とも違う世界だ。現実と非日常の境界線はなくなり、そこにはリアリズムだけでは表現しきれない、ぼんやりとした人生の幻影みたいなモノが見えてくる。
人生には時として、あり得ないような出来事も現実に起こったりするものだ。事実、凡庸なオイラの人生でも、何度かそんな場面に遭遇したことがある。
例えば、会社に出勤しようと家を出て横断歩道を渡ろうとした時、反対側の横断歩道をでかい孔雀(くじゃく)が羽を広げて横断歩道を歩いていた。朝もや漂う早朝の横断歩道。点滅する青い信号の色。美しい羽を大きく広げた孔雀がスローモーションのように歩いて行く。まるで、夢の中のような出来事だが本当に目の当たりにしたことだ。
この映画は、観る者を選ぶ映画だが、かと言って小難しい映画でもない。根底には知的なユーモアがあり、悲観主義者の小心者の主人公が、思いもかけない出来事に翻弄されても、人生の真実をつかみ取ろうともがく姿を通して、観客も追体験できる映画だ。
天才と言えば、70年代に寺山修司が、新宿とかの街角の至る所に役者を配置して演技をさせたり、ビルの部屋をいくつも貸し切って、その中で役者に前衛的な状況劇を演じさせたりしていたが、観客は全体が見えないから何をやってりるのかさっぱりわからないという、この映画の主人公の発想と同じことを既に現実にやっていた。 天才の考えることはすごい。
あと、キューブリックも『アイズ・ワイド・シャット』で、ロンドンのスタジオにニューヨークの街を再現したのを思い出す。
それを考えると、この映画の発想もあながち、荒唐無稽な話ではないね。
2009年11月14日
『こまどり姉妹がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! 』レビュー
『こまどり姉妹がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! 』
製作年 2009年(日本) 上映時間 71分
カテゴリー:ドキュメンタリー
監督:片岡英子
出演:こまどり姉妹(長内栄子・長内敏子)/渥美二郎
レビュー(☆☆☆☆)
『こまどり姉妹』という名前は聞いたことはあるという程度の知識しかないが、テアトル新宿でモーニングショー(朝10時〜)で上映中の『こまどり姉妹がでやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! 』を観にいった。
はたして、平日の朝にこまどり姉妹のドキュメンタリーを観に行く人がどの位いるのか興味深かったが、会場は半分以上の席が埋まっていた。
こまどり姉妹の強烈なワンフー(ファン)でもないオイラが、なぜ早起きをしてワザワザ新宿のモーニングショーを観に行ったかというと、ある知人がオイラに言った『今の自分が如何に"温い"か知りたかったら、この映画を観ろ!』と言う一言が妙に引っかかったからだ。
で、観たらこまどり姉妹のヘビーな半生に打ちのめされて、ぬるま湯にどっぷり浸かっている自分を猛省した。
『甘ちゃんだぜ・・・俺(;´д`)トホホ…』
こまどり姉妹とは、昭和30年代、華やかな芸能界でトップに昇りつめた双子の演歌(?)歌手で御年71歳。
生涯現役を誓う彼女らの歌手活動のスタートは、歌が好きで歌手になったわけではなくて、生きるために歌わざるを得なかった。
北海道に生まれた二人は、幼い頃に貧困から、一家で故郷から夜逃げして、旅芸人のように双子の姉妹が歌を歌い日銭を稼ぎながら、ある時は流しで繁華街の飲み屋を一晩中まわって歌を歌うような生活を送る。まだ、彼女らが11歳の頃にだ。
流しといっても、100件の店を回ってやっと一回歌えるような過酷な生活で、次の朝には喉がつぶれて声がでないような状態だったという。11歳といったら、まだ、小学校の高学年だぜ(*’д’*)
その後、一家で東京に上京して姉妹は、山谷で”流し”から始め、13歳でストリップ劇場の余興で歌を歌い( ̄○ ̄)、お座敷で三味線を覚え、やがてレコードデビューをはたし一躍人気者になるが・・・・・(ここまでが、まだ、姉妹の人生のほんのサワリ)
その後、絶頂期にステージ上で熱狂的なファンに刺身包丁で刺され瀕死重傷を負い、カムバックするも時代の流れにより低迷し、突然訪れた妹の末期癌宣告・・・・(絶句)
しかし、こまどり姉妹は今日も日本のどこかの健康ランドとかのステージで歌っている。
確かにオイラは甘ちゃんだが、こまどり姉妹に比べたら、みんな温いよ(∋_∈)
不況で仕事がないって、得意先100以上まわったの?失業しても、面接落ちまくっても、100回面接受けた?
HTMLやCSS覚えようともせずに、DREAMWEAVER難しいとか言ってんじゃねー(`Д´)
(ってオイラは誰に言ってるんだっけ??)
まあ、愚痴ったり、自分の不甲斐なさを嘆く前に、やれることは全部やってから言えってことだ。
そう言えば映画の中で、北海道の小樽の近くの『銭函』っていう駅がこまどり姉妹の長い旅の出発点になるんだけど、オイラは10年以上前に、当時つき合っていた彼女と北海道旅行をして、銭函の駅近くのコンドミニアムに泊まって、小樽の市場で買って来た毛蟹をたらふく食べたのを想い出して、急に毛蟹が食べたくなって毛蟹通販で毛蟹を注文した。
全然関係のない話だが、観光で北海道行ってもあんな何にもないマイナーな駅に降りたりしないと思うので、『おお、銭函行った事ある』と思ってしまった。
最後に、こまどり姉妹の映画観て、『俺も方がもっとスゲー』って思えたら、その人はきっと大成功できると人だと思う。
製作年 2009年(日本) 上映時間 71分
カテゴリー:ドキュメンタリー
監督:片岡英子
出演:こまどり姉妹(長内栄子・長内敏子)/渥美二郎
レビュー(☆☆☆☆)
『こまどり姉妹』という名前は聞いたことはあるという程度の知識しかないが、テアトル新宿でモーニングショー(朝10時〜)で上映中の『こまどり姉妹がでやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! 』を観にいった。
はたして、平日の朝にこまどり姉妹のドキュメンタリーを観に行く人がどの位いるのか興味深かったが、会場は半分以上の席が埋まっていた。
こまどり姉妹の強烈なワンフー(ファン)でもないオイラが、なぜ早起きをしてワザワザ新宿のモーニングショーを観に行ったかというと、ある知人がオイラに言った『今の自分が如何に"温い"か知りたかったら、この映画を観ろ!』と言う一言が妙に引っかかったからだ。
で、観たらこまどり姉妹のヘビーな半生に打ちのめされて、ぬるま湯にどっぷり浸かっている自分を猛省した。
『甘ちゃんだぜ・・・俺(;´д`)トホホ…』
こまどり姉妹とは、昭和30年代、華やかな芸能界でトップに昇りつめた双子の演歌(?)歌手で御年71歳。
生涯現役を誓う彼女らの歌手活動のスタートは、歌が好きで歌手になったわけではなくて、生きるために歌わざるを得なかった。
北海道に生まれた二人は、幼い頃に貧困から、一家で故郷から夜逃げして、旅芸人のように双子の姉妹が歌を歌い日銭を稼ぎながら、ある時は流しで繁華街の飲み屋を一晩中まわって歌を歌うような生活を送る。まだ、彼女らが11歳の頃にだ。
流しといっても、100件の店を回ってやっと一回歌えるような過酷な生活で、次の朝には喉がつぶれて声がでないような状態だったという。11歳といったら、まだ、小学校の高学年だぜ(*’д’*)
その後、一家で東京に上京して姉妹は、山谷で”流し”から始め、13歳でストリップ劇場の余興で歌を歌い( ̄○ ̄)、お座敷で三味線を覚え、やがてレコードデビューをはたし一躍人気者になるが・・・・・(ここまでが、まだ、姉妹の人生のほんのサワリ)
その後、絶頂期にステージ上で熱狂的なファンに刺身包丁で刺され瀕死重傷を負い、カムバックするも時代の流れにより低迷し、突然訪れた妹の末期癌宣告・・・・(絶句)
しかし、こまどり姉妹は今日も日本のどこかの健康ランドとかのステージで歌っている。
確かにオイラは甘ちゃんだが、こまどり姉妹に比べたら、みんな温いよ(∋_∈)
不況で仕事がないって、得意先100以上まわったの?失業しても、面接落ちまくっても、100回面接受けた?
HTMLやCSS覚えようともせずに、DREAMWEAVER難しいとか言ってんじゃねー(`Д´)
(ってオイラは誰に言ってるんだっけ??)
まあ、愚痴ったり、自分の不甲斐なさを嘆く前に、やれることは全部やってから言えってことだ。
そう言えば映画の中で、北海道の小樽の近くの『銭函』っていう駅がこまどり姉妹の長い旅の出発点になるんだけど、オイラは10年以上前に、当時つき合っていた彼女と北海道旅行をして、銭函の駅近くのコンドミニアムに泊まって、小樽の市場で買って来た毛蟹をたらふく食べたのを想い出して、急に毛蟹が食べたくなって毛蟹通販で毛蟹を注文した。
全然関係のない話だが、観光で北海道行ってもあんな何にもないマイナーな駅に降りたりしないと思うので、『おお、銭函行った事ある』と思ってしまった。
最後に、こまどり姉妹の映画観て、『俺も方がもっとスゲー』って思えたら、その人はきっと大成功できると人だと思う。
2009年11月10日
『カイジ 人生逆転ゲーム』レビュー
『カイジ 人生逆転ゲーム』
・製作年 2009年(日本) 上映時間 129分
・カテゴリー:ドラマ。コメディー。
・監督:佐藤東弥
・キャスト: 藤原竜也 天海祐希 香川照之 山本太郎 光石 研 松山ケンイチ 松尾スズキ 佐藤 慶
・レビュー(☆☆☆)
今日は別に暇ではないが時間がポッカリと突然空いたので、何の予備知識もなく『カイジ 人生逆転ゲーム』を観た。
チケット買ってから気がついたんだけど、この映画はオイラの最も苦手とする漫画原作のテレビ局制作の映画ではないかΣ( ̄□ ̄; ) ガーン
でも、結論から言うと思いがけず割と楽しめた(´∀`)
まあ、こういう映画は、脚本のひねりがどうの、演出がこうの言うのも野暮ってもんだし、ストーリーの先が読めるので何も考えずに物語の流れに身を任せて楽しめばいいんだけど、『やっぱり、“沈まない太陽”を観ればよかった』とちょっと後悔した。(時間が合わなかったので断念したんだけど。。。)
このての映画はDVDで観ても充分なんだけど、DVD化されても絶対に観ないので、まあ、いいか(^_^ゞ
ストーリーの先が読めると言えば、先日、ダウンタウンの松本人志の映画批評本の『シネマ坊主』を図書館で借りて読んだら、”ストーリーが読めてつまらない”とか”ラストのオチが判ってダメ”とか、如何にも『ストーリーの先が読めるから、俺って鋭いじゃん』的なことを書いていて、程度の低さにびっくりした
別にストーリが先読みできたから、偉い訳でもないし、先読み出来る映画がダメってわけでもない。(中には退屈な映画もあるけど。。。)
そういう映画を楽しめないお前が損なんだよって思いました( ̄ε ̄)(余談ですが。。。。)
主演の藤原竜也も、香川照之も演出なのかどうかは知らないが、マンガチックでケレン味たっぷりの演技をしていたが、藤原の演技はワザとらしいだけなのに、香川の演技は見事にストーリーにハマっていて、やはり一枚上手だなと感心した。
中盤の見せ場の鉄骨渡りのシーンは、長過ぎてちょっと退屈だったが、高所恐怖症気味のオイラは、結構ドキドキだった。(10億円貰っても無理( ≧▽≦))
ストーリーは、自堕落な日々を送るフリーターのカイジは、友人の借金の保証人になったために多額の負債を抱えてしまい、一夜にして大金を手にできる船に乗るはめになり、人生を逆転するための命懸けの戦いに挑むことに。。。。。
・製作年 2009年(日本) 上映時間 129分
・カテゴリー:ドラマ。コメディー。
・監督:佐藤東弥
・キャスト: 藤原竜也 天海祐希 香川照之 山本太郎 光石 研 松山ケンイチ 松尾スズキ 佐藤 慶
・レビュー(☆☆☆)
今日は別に暇ではないが時間がポッカリと突然空いたので、何の予備知識もなく『カイジ 人生逆転ゲーム』を観た。
チケット買ってから気がついたんだけど、この映画はオイラの最も苦手とする漫画原作のテレビ局制作の映画ではないかΣ( ̄□ ̄; ) ガーン
でも、結論から言うと思いがけず割と楽しめた(´∀`)
まあ、こういう映画は、脚本のひねりがどうの、演出がこうの言うのも野暮ってもんだし、ストーリーの先が読めるので何も考えずに物語の流れに身を任せて楽しめばいいんだけど、『やっぱり、“沈まない太陽”を観ればよかった』とちょっと後悔した。(時間が合わなかったので断念したんだけど。。。)
このての映画はDVDで観ても充分なんだけど、DVD化されても絶対に観ないので、まあ、いいか(^_^ゞ
ストーリーの先が読めると言えば、先日、ダウンタウンの松本人志の映画批評本の『シネマ坊主』を図書館で借りて読んだら、”ストーリーが読めてつまらない”とか”ラストのオチが判ってダメ”とか、如何にも『ストーリーの先が読めるから、俺って鋭いじゃん』的なことを書いていて、程度の低さにびっくりした
別にストーリが先読みできたから、偉い訳でもないし、先読み出来る映画がダメってわけでもない。(中には退屈な映画もあるけど。。。)
そういう映画を楽しめないお前が損なんだよって思いました( ̄ε ̄)(余談ですが。。。。)
主演の藤原竜也も、香川照之も演出なのかどうかは知らないが、マンガチックでケレン味たっぷりの演技をしていたが、藤原の演技はワザとらしいだけなのに、香川の演技は見事にストーリーにハマっていて、やはり一枚上手だなと感心した。
中盤の見せ場の鉄骨渡りのシーンは、長過ぎてちょっと退屈だったが、高所恐怖症気味のオイラは、結構ドキドキだった。(10億円貰っても無理( ≧▽≦))
ストーリーは、自堕落な日々を送るフリーターのカイジは、友人の借金の保証人になったために多額の負債を抱えてしまい、一夜にして大金を手にできる船に乗るはめになり、人生を逆転するための命懸けの戦いに挑むことに。。。。。
2009年10月30日
マイケル・ジャクソン『THIS IS IT』
『THIS IS IT』 製作年 2009(アメリカ)111分
カテゴリー:ライブ/ドキュメンタリー
監督:ケニー・オルテガ
振り付け:トラビス・ペイン
音楽監督:マイケル・ビアーデン
プロデューサー:ランディ・フィリップス
キャスト:マイケル・ジャクソン、他
レビュー(☆☆☆☆☆)
これは奇跡の映画だ。
最後のスーパースター、マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』を観た。
いや、全てのオーディエンスがエモーショナルな瞬間と圧倒的な臨場感に魂を揺すぶられ、マイケルの魂を体感して共有したと言い換えてもよい。
だが、言葉にしたら陳腐なだけだ。これは、言葉では表現できないものだから。
でも、凡人のオイラの拙い言葉で、少しでもこの感動(陳腐すぎる)を伝えられたらと思う。
この映画は、今年の夏、ロンドンのO2アリーナで開催され彼の最後のコンサートとなるはずだった『THIS IS IT』のリハーサル風景を、マイケルの急逝により、本来は決して公開されるばずのなかった映像を編集して2週間限定で世界同時公開となった映画だ。
奇跡の映画というのには二重の意味がある。
もし、予定通りコンサートが開催されていたら、誰も決して観る事ができなかった映像であることと、リハーサル風景を編集して繋げた映像は、リハーサル中で未完成なぶん、生々しく臨場感に溢れていて、私たちは同じ時代に存在したスーパースターの最後の姿を図らずも目撃することになったからだ。
こんなシーンがある。リハーサルということもあり、ウォーミングアップも兼ねて、抑えて歌っていたマイケルが、女性ヴォーカルとのデュエットで、つい本気で歌い出してしまう。
そして、ソロを任された女性ギターリストに『ここは、君が一番輝く瞬間だ』とクルーのパフォーマンスを最大限に引き出すこんなシーンも。
スタッフも世界中から超一流のパフォーマーやアティストが結集していて、ダンスシーンはリハと言う事もあり、マイケルは流している感じなんだけど、バックダンサーの動きは完全にMJに同期していて、これがリハーサルか!!と驚かずにはいられない。
映画の冒頭のダンスシーンから全身鳥肌が立つような興奮と、もうMJはこの世にはいないという現実に魂を揺すぶられた。そして、隣にすわっていた50歳前後の女性も最後まで号泣していた。
もう、決して彼を越えるスーパースターは現れないだろう。
希有で偉大なクリエーターでパフォーマー。エキセントリックなゴシップスター。
人によってMJはいろんな捉え方があるだろう。
でも、この映画を観れば、彼が本当に伝えたかったメッセージが何か解る筈だ。
この映画は、マイケル・ジャクソンのファンではない人にも観て欲しい。いや、最後のスーパースターの生き様を目撃し、体感して欲しい。
少なくとも、少しでもクリエイティブな仕事に関わる人は、観るべきだ。
一流のプロフェッショナルたちが、どのようにして本当に価値のあるものを磨き上げる過程が見ることが出来るから。
最後に、ワールドプレミアムの上映前にテレビのインタビューに答えていたアフロアメリカンのおばさんが『私たちは世界を変えられる人を失った』と言っていたが、この映画を観たそのおばさんは、すぐに自分の間違いに気がついただろう。
なぜなら、このロクデモナイ世界を変えたいと願うなら、『Man In The Mirror』
鏡の中に映った自分が変わることだと気づくはずだから。
そして、マイケルも本気で、それを信じていたはずだ。
カテゴリー:ライブ/ドキュメンタリー
監督:ケニー・オルテガ
振り付け:トラビス・ペイン
音楽監督:マイケル・ビアーデン
プロデューサー:ランディ・フィリップス
キャスト:マイケル・ジャクソン、他
レビュー(☆☆☆☆☆)
これは奇跡の映画だ。
最後のスーパースター、マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』を観た。
いや、全てのオーディエンスがエモーショナルな瞬間と圧倒的な臨場感に魂を揺すぶられ、マイケルの魂を体感して共有したと言い換えてもよい。
だが、言葉にしたら陳腐なだけだ。これは、言葉では表現できないものだから。
でも、凡人のオイラの拙い言葉で、少しでもこの感動(陳腐すぎる)を伝えられたらと思う。
この映画は、今年の夏、ロンドンのO2アリーナで開催され彼の最後のコンサートとなるはずだった『THIS IS IT』のリハーサル風景を、マイケルの急逝により、本来は決して公開されるばずのなかった映像を編集して2週間限定で世界同時公開となった映画だ。
奇跡の映画というのには二重の意味がある。
もし、予定通りコンサートが開催されていたら、誰も決して観る事ができなかった映像であることと、リハーサル風景を編集して繋げた映像は、リハーサル中で未完成なぶん、生々しく臨場感に溢れていて、私たちは同じ時代に存在したスーパースターの最後の姿を図らずも目撃することになったからだ。
こんなシーンがある。リハーサルということもあり、ウォーミングアップも兼ねて、抑えて歌っていたマイケルが、女性ヴォーカルとのデュエットで、つい本気で歌い出してしまう。
そして、ソロを任された女性ギターリストに『ここは、君が一番輝く瞬間だ』とクルーのパフォーマンスを最大限に引き出すこんなシーンも。
スタッフも世界中から超一流のパフォーマーやアティストが結集していて、ダンスシーンはリハと言う事もあり、マイケルは流している感じなんだけど、バックダンサーの動きは完全にMJに同期していて、これがリハーサルか!!と驚かずにはいられない。
映画の冒頭のダンスシーンから全身鳥肌が立つような興奮と、もうMJはこの世にはいないという現実に魂を揺すぶられた。そして、隣にすわっていた50歳前後の女性も最後まで号泣していた。
もう、決して彼を越えるスーパースターは現れないだろう。
希有で偉大なクリエーターでパフォーマー。エキセントリックなゴシップスター。
人によってMJはいろんな捉え方があるだろう。
でも、この映画を観れば、彼が本当に伝えたかったメッセージが何か解る筈だ。
この映画は、マイケル・ジャクソンのファンではない人にも観て欲しい。いや、最後のスーパースターの生き様を目撃し、体感して欲しい。
少なくとも、少しでもクリエイティブな仕事に関わる人は、観るべきだ。
一流のプロフェッショナルたちが、どのようにして本当に価値のあるものを磨き上げる過程が見ることが出来るから。
最後に、ワールドプレミアムの上映前にテレビのインタビューに答えていたアフロアメリカンのおばさんが『私たちは世界を変えられる人を失った』と言っていたが、この映画を観たそのおばさんは、すぐに自分の間違いに気がついただろう。
なぜなら、このロクデモナイ世界を変えたいと願うなら、『Man In The Mirror』
鏡の中に映った自分が変わることだと気づくはずだから。
そして、マイケルも本気で、それを信じていたはずだ。
2009年10月27日
『リミッツ・オブ・コントロール』レビュー
『リミッツ・オブ・コントロール』
製作年 2009(スペイン・アメリカ・日本)115分
カテゴリー:アート系シネマ
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
キャスト:イザック・ド・バンコレ、アレックス・デスカス、工藤夕貴、ビル・マーレイ
レビュー(☆☆☆)
ジム・ジャームッシュ4年ぶりの新作『リミッツ・オブ・コントロール』を渋谷シネマライズで観た。
一言で言えば、ジム・ジャームッシュ節満点の映画だ。
キャストもジャームッシュ作品の常連が多数出演していて、独特なブルースフィーリングとでも言えるような、全編ゆったりとした時間の流れの中で、オイラは昨夜は寝不足ということもあって、油断すると何度も夢の中に引きずり込まれそうになった。
この手の映画は、面白いとか、面白くないとかって言う映画じゃなくて、こういう映画が好きか嫌いかだけだと思う。
ストーリーは、コードネーム〝孤独な男〟が何かのメタファーのような任務を受け、スペイン中を旅をする。
必ずエスプレッソを2つ注文する彼の前に現れるのは、「スペイン語は話さないのか?」という問いを合言葉に、マッチ箱の中の暗号のやり取りをする謎の男女。殺し屋が主人公なのに、銃もアクションもない、サスペンス性ゼロの映画。
ただ、ただ、ジム・ジャームッシュ映画。
オイラは、この手の映画を、メタファーが、どうのこうの、頭の良さそうな映画通が言うのような見方をするのが大嫌いで、映画は音楽を聞くように感じることだと思っているので、レビュー(☆☆☆)とかって言うのも、どうかと思うが、まあ、こういう映画は寝不足の時には観てはいけないと深く反省した。
あと、『バグダットカフェ』を早送りで10分で観るようなウチの嫁には絶対に勧めません。もし、彼女にこの映画のDVDを見せたら、早送りで3分の世界最速記録で観て、『つまんない映画ねぇ』とか言うに決まってますから〜。残念!(古!!)
製作年 2009(スペイン・アメリカ・日本)115分
カテゴリー:アート系シネマ
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
キャスト:イザック・ド・バンコレ、アレックス・デスカス、工藤夕貴、ビル・マーレイ
レビュー(☆☆☆)
ジム・ジャームッシュ4年ぶりの新作『リミッツ・オブ・コントロール』を渋谷シネマライズで観た。
一言で言えば、ジム・ジャームッシュ節満点の映画だ。
キャストもジャームッシュ作品の常連が多数出演していて、独特なブルースフィーリングとでも言えるような、全編ゆったりとした時間の流れの中で、オイラは昨夜は寝不足ということもあって、油断すると何度も夢の中に引きずり込まれそうになった。
この手の映画は、面白いとか、面白くないとかって言う映画じゃなくて、こういう映画が好きか嫌いかだけだと思う。
ストーリーは、コードネーム〝孤独な男〟が何かのメタファーのような任務を受け、スペイン中を旅をする。
必ずエスプレッソを2つ注文する彼の前に現れるのは、「スペイン語は話さないのか?」という問いを合言葉に、マッチ箱の中の暗号のやり取りをする謎の男女。殺し屋が主人公なのに、銃もアクションもない、サスペンス性ゼロの映画。
ただ、ただ、ジム・ジャームッシュ映画。
オイラは、この手の映画を、メタファーが、どうのこうの、頭の良さそうな映画通が言うのような見方をするのが大嫌いで、映画は音楽を聞くように感じることだと思っているので、レビュー(☆☆☆)とかって言うのも、どうかと思うが、まあ、こういう映画は寝不足の時には観てはいけないと深く反省した。
あと、『バグダットカフェ』を早送りで10分で観るようなウチの嫁には絶対に勧めません。もし、彼女にこの映画のDVDを見せたら、早送りで3分の世界最速記録で観て、『つまんない映画ねぇ』とか言うに決まってますから〜。残念!(古!!)
2009年10月12日
2009年10月02日
『南極料理人』レビュー
『南極料理人』
製作年 2009年(日本) 上映時間 125分
カテゴリー:ドラマ。コメディー。
監督:沖田修一
キャスト: 堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補、西田尚美、古舘寛治、小浜正寛、黒田大輔、小出早織、
宇梶剛士、嶋田久作
○レビュー(☆☆☆)
堺雅人主演の『南極料理人』をTOHOシネマズ ららぽーと横浜で観た。
感想は”良かったけど期待したほどではなかった”という微妙な感じだ(´。`)
悪くはないけど、なんか足りないような。。。南極の極地の日常を描いている、割と好きなタイプの映画なんだけど『三丁目の夕日』観た時にも感じた、この手の日本映画に共通するワザとらしさというか、アザとさというか、”ほのぼの”した”オフビートなゆるい笑い”にこだわり過ぎて、映画全体的が嘘くさくなってるんだよね。
ただ、そんなのはオイラの”へ理屈”なんで、友達にあの映画どう?って聞かれたら、『面白いよ』って勧めるけどね
だから、もっと登場人物のキャラクター設定をどうにかするだけで、もっと良い映画になっていたのにってオイラは思うのさ( ̄ε ̄)
隊員全員のキャラクターはユニークなんだけど、全員がいい人の必要がないし、ちょっとは描かれているけど、昔、南極隊の手記を読んだことがあるんだけど、閉鎖された空間で長い間生活していると、食事の時のお互いの箸の上げ下ろしもカンに障るらしいが、そういう人間のエゴとか負の部分がないと、極地で1年もの間あんなに ほのぼのしてるわけねーじゃんって思ってしましました。
きたろう演じる隊長のキャラをもっと厳しい性格に設定するだけで、あのラーメンのシーンはもっと笑えたはずと思うのですが。。。
あと、極地の日常を撮るのがテーマかもしれないけど、オーロラのシーンとかあっても良かったんじゃない?ストーリーがゆるい分、もっと荘厳な風景や極限の環境の描写がないと、オッサンたちが飯食ってドタバタ遊んでるだけの映画って見方にもなってしまうよなあ。
まあ、いろいろ、悪口みたいたことを書いたけど、おもしろいです笑えますラーメン食べたくなります
マンガ原作のテレビ局製作のどうでもいい映画より、何十倍も良いです!!
ストーリーは、海上保安庁の料理担当の西村は、ひょんなことから南極ドームふじ基地に派遣される。西村が作る料理を通してペンギンはおろかウィルスさえ生存できない極寒の地での1年間の日常を描いた作品。
製作年 2009年(日本) 上映時間 125分
カテゴリー:ドラマ。コメディー。
監督:沖田修一
キャスト: 堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補、西田尚美、古舘寛治、小浜正寛、黒田大輔、小出早織、
宇梶剛士、嶋田久作
○レビュー(☆☆☆)
堺雅人主演の『南極料理人』をTOHOシネマズ ららぽーと横浜で観た。
感想は”良かったけど期待したほどではなかった”という微妙な感じだ(´。`)
悪くはないけど、なんか足りないような。。。南極の極地の日常を描いている、割と好きなタイプの映画なんだけど『三丁目の夕日』観た時にも感じた、この手の日本映画に共通するワザとらしさというか、アザとさというか、”ほのぼの”した”オフビートなゆるい笑い”にこだわり過ぎて、映画全体的が嘘くさくなってるんだよね。
ただ、そんなのはオイラの”へ理屈”なんで、友達にあの映画どう?って聞かれたら、『面白いよ』って勧めるけどね
だから、もっと登場人物のキャラクター設定をどうにかするだけで、もっと良い映画になっていたのにってオイラは思うのさ( ̄ε ̄)
隊員全員のキャラクターはユニークなんだけど、全員がいい人の必要がないし、ちょっとは描かれているけど、昔、南極隊の手記を読んだことがあるんだけど、閉鎖された空間で長い間生活していると、食事の時のお互いの箸の上げ下ろしもカンに障るらしいが、そういう人間のエゴとか負の部分がないと、極地で1年もの間あんなに ほのぼのしてるわけねーじゃんって思ってしましました。
きたろう演じる隊長のキャラをもっと厳しい性格に設定するだけで、あのラーメンのシーンはもっと笑えたはずと思うのですが。。。
あと、極地の日常を撮るのがテーマかもしれないけど、オーロラのシーンとかあっても良かったんじゃない?ストーリーがゆるい分、もっと荘厳な風景や極限の環境の描写がないと、オッサンたちが飯食ってドタバタ遊んでるだけの映画って見方にもなってしまうよなあ。
まあ、いろいろ、悪口みたいたことを書いたけど、おもしろいです笑えますラーメン食べたくなります
マンガ原作のテレビ局製作のどうでもいい映画より、何十倍も良いです!!
ストーリーは、海上保安庁の料理担当の西村は、ひょんなことから南極ドームふじ基地に派遣される。西村が作る料理を通してペンギンはおろかウィルスさえ生存できない極寒の地での1年間の日常を描いた作品。
2009年09月24日
『グランブルー』の日
値下げしたアクアラインを通って鴨川シーワールドに行ってました
連休明けの平日ということもあって、園内は割と空いていて、イルカショー観たり、シャチパフォーマンスで水を掛けられたりして楽しんだ後、イルカにタッチして記念写真がとれる有料プログラムに参加した。(有料プログラムは先着順なので、土日祝日は朝一で並んで整理券をゲットする必要あり)
イルカに触るのは、初めてだったんだけどウエットスーツみたいな感触でツルツルしていた。
イルカショーを観て想い出したのが、リュック・ベッソン監督の『グランブルー』。
この映画は日本公開時、2週間で打ち切りになったんだけど、映画通の友達が劇場で観て「なんか不思議な映画があるんだけど、観てみなよ」って勧められて観た映画だった。
当時フランスではグランブルー・ジェネレーションっていう言葉ができるくらい、この映画を見て生き方を変える世代に支持されていたんだけど、バブル真只中の日本では全く受け入れられなかったわけだ。でもその後、口コミでセルビデオが売れて、リバイバル上映された。
当時、サラリーマンで残業が毎月130時間以上働いてたオイラは、ジャックのように生きれたら最高だなあと思って、映画を見ながら『そうだ!サラリーマンやめよう』と思った。
オイラが見たのは『グランブルー』ではなくて『グレート・ブルー』だったんだけど、違いは『グレート・ブルー』の方がオリジナルで、全米公開もこっちの方で英語バージョン。
『グランブルー』はフランス公開用に、オリジナル版にフランス語吹き替えして、余計なシーンを追加した物で、その後DVDで『グランブルー(完全版)』(英語版のロングバージョン)がリリースさてている。
あと、お昼は鴨川シーワールドから車で5分の藤よしに行って、平日限定ランチ(1200円)を食べたんだけど、地魚の刺身や金目鯛の煮付けが美味しくて大満足
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連休明けの平日ということもあって、園内は割と空いていて、イルカショー観たり、シャチパフォーマンスで水を掛けられたりして楽しんだ後、イルカにタッチして記念写真がとれる有料プログラムに参加した。(有料プログラムは先着順なので、土日祝日は朝一で並んで整理券をゲットする必要あり)
イルカに触るのは、初めてだったんだけどウエットスーツみたいな感触でツルツルしていた。
イルカショーを観て想い出したのが、リュック・ベッソン監督の『グランブルー』。
この映画は日本公開時、2週間で打ち切りになったんだけど、映画通の友達が劇場で観て「なんか不思議な映画があるんだけど、観てみなよ」って勧められて観た映画だった。
当時フランスではグランブルー・ジェネレーションっていう言葉ができるくらい、この映画を見て生き方を変える世代に支持されていたんだけど、バブル真只中の日本では全く受け入れられなかったわけだ。でもその後、口コミでセルビデオが売れて、リバイバル上映された。
当時、サラリーマンで残業が毎月130時間以上働いてたオイラは、ジャックのように生きれたら最高だなあと思って、映画を見ながら『そうだ!サラリーマンやめよう』と思った。
オイラが見たのは『グランブルー』ではなくて『グレート・ブルー』だったんだけど、違いは『グレート・ブルー』の方がオリジナルで、全米公開もこっちの方で英語バージョン。
『グランブルー』はフランス公開用に、オリジナル版にフランス語吹き替えして、余計なシーンを追加した物で、その後DVDで『グランブルー(完全版)』(英語版のロングバージョン)がリリースさてている。
あと、お昼は鴨川シーワールドから車で5分の藤よしに行って、平日限定ランチ(1200円)を食べたんだけど、地魚の刺身や金目鯛の煮付けが美味しくて大満足
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