2011年02月25日

『グリーホーネット』レビュー

『グリーホーネット』
原題:The Green Hornet
製作国: 2010年アメリカ
上映時間: 125分
カテゴリー:SFアドベンチャー
監督:ミシェル・ゴンドリー
製作:ニール・モリッツ
脚本:セス・ローゲン
映倫区分: G
上映方式:3D
キャスト:ジセス・ローゲン、ジェイ・チョウ、キャメロン・ディアス、クリストフ・ワルツ

レビュー(☆)

”予告編が全ての映画”っていうのがある。

観る前から判っていたが、『グリーンホーネット』は

期待を裏切らない”予告編が全ての映画”だった(笑)


でも、なぜそれが判ってワザワザ映画館まで観に行ったかというと、
『エターナル・サンシャイン』『恋愛睡眠のすすめ』の、
ミシェル・ゴンドリー監督がメジャースタジオ制作で
ヒーローもののアクションムービーを撮るっていうのに惹かたからだ。

『恋愛睡眠のすすめ』は、マイナーだけどキュートで
せつない隠れた名作だと思う。


肝心の『グリーンホーネット』はというと、
予想通り見事に中身ない映画だった。

大体3Dで撮る必然性のない映画だし、見せ場は予告編の
格闘シーンだけだったような気がする。

『グリーンホーネット』は、昔のアメリカのテレビドラマリメイク。

TV版はブルース・リーが助手のカトー役をやっていたのを、
子供頃に再放送で見たことがあるが、そんな凄いヒーローではない。

スパイダーマンのような特殊能力を持っているわけでもなく、
バットマンのような最新テクノロジーを駆使したスーパーウエーポンを
持っているわけでもない。

ある程度の武器やカスタムカーは持っているが、
全て助手のカトー手作りというショボさ(^_^;)

ただの金持ちのドラ息子が、親父に遺産を使って悪党を退治する話だ。
まあ、どこの世界でも親父が凄過ぎると二代目は、大抵バカ息子だが( ̄▽ ̄)


それにバットマンのような暗い過去や悪党を倒すための
モチベーションがあるわけではない。
ヒーローになるような必然性が全くないのだ。

しかも、悪党っていうには、田舎のヤクザ程度のショボい奴( T_T)\(^-^ )


DVDを借りて観るには充分楽しめるが、
忙しいのにわざわざ映画館に見に行く映画じゃないね。

もう、劇場公開は打ち切られたけど( ̄ε ̄)

デートムービーの決定版だ(⌒▽⌒)

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映画批評(やや辛口)
   
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Posted by アイスH at 17:23映画レビュー

2011年01月25日

『トロン レガシー』レビュー

『トロン レガシー』
原題:Tron: Legacy
監督: ジョセフ・コジンスキー
製作国: 2010年アメリカ
映画配給:ディズニー
上映時間: 125分
カテゴリー:SFアドベンチャー
脚本: エディ・キツイツ、アダム・ホロビッツ
撮影:クラウディオ・ミランダ
音楽:ダフト・パンク
映倫区分: G
上映方式:3Dのみ
キャスト:ジェフ・ブリッジス、ギャレット・ヘドランド、オリビア・ワイルド、マイケル・シーン

レビュー(☆☆)

前回の映画レビューが11月14日ってことは、
2ヶ月以上も映画館で映画を観ていないことになる。

忙しかったこともあるが、この2ヶ月間それほど観たいと
思う映画がなかったからだ。

ちょっと後悔したのが、「悪人」を見逃したことくらいかな( ̄ε ̄)

と、油断していたら、先週あたりから観たい映画が
次々にと押し寄せて来るではないか( ̄□ ̄;!!

で、まずは気になる映画『トロン レガシー』から片付けていこう。

この映画は1982年にディズニーが世界初のデジタル・コンピュータ・グラフィックスを
導入して制作したSFアドベンチャー「トロン」の続編。

前作の「トロン」は、テレビで断片的に観たことがあるだけで、
古い昔のテレビゲームみたいな映画くらいの印象しかないし、
特に観たいと思わなかったんだけど、ディズニーが過去の遺産を引っ張り出して、
最新のテクノロジーで続編を作るからには、何かがあると気になって観に行った。
しかも、3Dのみの上映っていうのもちょっと気になったし( ̄ε ̄)

ビジュアル的には、かっこいいのかもしれないが、イマイチ乗れない。
実際、前半のバイクのゲームのところとか、最近のCGと一味違うが
何か古臭く感じる( ̄^ ̄;)ウーン

何故か?
物語がゲームの世界の話なんで仕方がないのかもしれないが、
最新のCGで作られた映像も、なんだか昔のゲーセンのゲームを無理やり
3Dに起こし直したようで、なんかちっともワクワクしない。
話も陳腐だし。。。

スゲー忙しいのに、2時間も他人がやっているゲームを無理やり
見させられたような気分だった。
観終わった直後は。

しかし、昨日、マクドナルドである光景を目にして、『トロン レガシー』の世界が
今の現実のメタファーに思えて、ちょっと怖くなった。

それは昨日の夕方の4時頃に、パソコンで一仕事しようとマクドナルドに入ると
小学校の4年生くらいの男の子4人が、マックの店内のフロアに座り込んで
DSだがPSPだかをやっていた。

そのマクドナルドはWiFiで通信できる店だったので、彼らはネットワークゲームを
やっていたと思う。

オイラは、心の中で『クソガキどもが、外で遊べ!』と思いながらコーヒーを買って
ボックス席でPCを広げて、2時間近く仕事をして、バッテリーがなくなったので、
帰ろうとしたら、さっきのガキどもの仲間が10人くらい増えて、
彼らは、無言でネットワークでつながったバーチャルの世界に入り込んでいた。

オイラは
『(ノ゜0゜)ノ .オオォォォォォォォーこれはまるでトロンの世界ではないか』と思った。

奴ら(ガキども)は、すでにゲーム業界に完全に洗脳されて、バーチャルな世界に
取り込まれて、勉強もなんの努力もしないでゲームに興じ、
せっせとゲーム業界に金を払い続け、
一生無駄な時間を費やして虚構の世界の中で生きていくのだ。
トロンのプレーヤーのように(@_@)
勝手な妄想だが。。。

昭和なオイラは、声を大にして言いたい。

『ガキどもよ!!子供は風の子!元気な子!』(笑)
『ゲームを捨てよ!外に出よう!』w
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Posted by アイスH at 11:55Comments(0)映画レビュー

2010年11月14日

『ナイト&デイ』レビュー

『ナイト&デイ』
原題: Knight and Day
製作国: 2010年アメリカ映画
カテゴリー:アクション・コメディ
上映時間: 109分
監督: ジェームズ・マンゴールド
キャスト:
トム・クルーズ、キャメロン・ディアス、ピーター・サースガード、ジョルディ・モリャ、ビオラ・デイビス、
ポール・ダノ、フォルク・ヘンシャル、マーク・ブルカス、レニー・ロフティン、マギー・グレイス

レビュー(☆☆)

この映画は良くも悪くも、トム・クルーズの映画だ。

別の言い方をするならトム・クルーズ以外のキャスティングでは、

成り立たない映画だろう。

「ソルト」主演のオファーを蹴って、この作品をトム・クルーズ選んだ理由が納得した。

「ソルト」は、アンジェリーナ・ジョリーがやって正解だった。



『ナイト&デイ』で、トム・クルーズ演じる凄腕のスパイの行動は、

荒唐無稽な展開ながら、トムの余裕の笑顔でどんな危機も乗り越え、

マンガチックで、一言で言うなら「ルパン3世」実写版って感じの映画だ。

キャメロン・ディアスもちょっと年を食ったが、この作品のヒロインにはピッタリの

役柄で最高にかわいい。

何も考えず楽しめる、デートムービーとしては、最高の映画だが、

残念ながらオイラは、少し気分が沈んだ日に1人でレイトショーで観た。

でも、映画を見終わったら、凹んだ気分が少し上昇icon14face02

よーござんす(・∀・)b


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Posted by アイスH at 11:40映画レビュー

2010年08月13日

アンジェリーナ・ジョリー主演の『ソルト』レビュー

『ソルト』
原題: Salt
製作国: 2010年アメリカ映画
カテゴリー:スパイ・アクション、サスペンス
上映時間: 105分
監督・フィリップ・ノイス
キャスト:
アンジェリーナ・ジョリー、リーブ・シュレイバー、キウェテル・イジョフォー、ダニエル・オルブリフスキー、
アンドレ・ブラウアー、アウグスト・ディール

レビュー(☆☆☆)

スパイ・アクション傑作と言えば、マッド・デイモンのボーン シリーズが記憶に新しいが、アンジェリーナ・ジョリー主演の

スパイ・アクション『ソルト』の劇場予告を観て、ボーンシリーズのようなリアリティーのあるアクション映画を期待していた。

映画の冒頭でスパイの疑いをかけられたCIAエージェントのソルトが、清掃用の薬品やテーブルの脚などでその場で即席爆弾を作り、
警戒が厳重なビルから脱出して逃亡する展開は、ボーンシリーズのようで面白し、アクションも中々(・∀・)イイ!!

しかし、脚本が弱い(ーー;)

ネタバレになるので、あまり詳しくは書けないが、ストーリーの中盤までは、ソルトの行動原理を、彼女の全てを受け入れた夫との
エピーソードをフラッシュバックで見せているが、物語が進むにつれ、彼女の行動原理が何なのか、不可解な気分になってしまう。

説明はしているが、解せない。映画の核となる部分が弱いのだ(+_+)

アクションやストーリー展開も、前半までは良かったが、後半はちょっと強引過ぎる展開ヾ(-_-*) オイオイ。

しかし、そんな諸々を差し引いても、アンジーの美し過ぎるスパイアクションは一見の価値がある(・∀・)b



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Posted by アイスH at 19:14映画レビュー

2010年07月25日

『プレデターズ』レビュー

『プレデターズ』
製作年 2010( アメリカ) 107分分
カテゴリー:SF、アクション
監督: ニムロッド・アーントル
製作: ロバート・ロドリゲス
映倫指定: PG12
キャスト:エイドリアン・ブロディ、アリシー・ブラガ、トファー・グレイス、ルイ・オザワ、ウォルトン・ゴギンズ、オレッグ・タクタロフ、マハーシャラルハズバズ・アリ、ダニー・トレホ、ローレンス・フィッシュバーン
レビュー(★★☆☆☆)

『プレデター』シリーズの最新作、『プレデターズ』を見た。

’97にアーノルド・シュワルツェネッガー主演で大ヒットした『プレデター』のリメイクかと思っていたら、

タイトルを良く見たら『プレデターズ』と複数形ではないか( ̄○ ̄)

ストーリーは、傭兵のロイスが目を覚ますと、空中を落下中!!( ̄□ ̄;!!

彼はなんとかパラシュートを開いて、見知らぬジャングルの中に降下する。

そのジャングルには彼と同じような体験をし、辿り着いた、傭兵、囚人、日本人の殺し屋、メキシコの暗殺団一味など、

バラバラな経歴の持ち主たちだった。

一体誰が何の為に??(@_@)

やがて、彼らは自分たちがプレデターの狩りの獲物として惑星に連れてこられたことが判明。

生き残りをかけたプレデターとの壮絶な闘いが始まる。

という内容だが、オイラは『プレデター』シリーズを全部みたが、’97にアーノルド・シュワルツェネッガー主演がNo.1で

この次が、今回の『プレデターズ』かな(´∇`)

ただし、予想通りに戦闘軍団が、プレデターズの餌食になるストーリーは、新しいアイデアも、驚くような仕掛けもなく予定調和的に物語は進む。

ただ、この映画も、前作の『プレデターズ vs エイリアン』同様に、何も考えず見れば、それなりに楽しめる。

もう、エイリアンの素顔を見たぐらいでは、誰も驚かないので『プレデターズ』の生態とか、もっと突っ込んだ内容があれば

より(・∀・)イイ!!って感じがした。

でも、そもそも、このての映画にそんなことを、誰も期待していないか( ´⊿`)y-~~

日本のヤクザが日本刀で、プレデターと対決するシーンは、.。゚+.σ(・∀・)゚+.゚カコイイ!!





  

Posted by アイスH at 16:05映画レビュー

2010年06月27日

『アイアンマン2』レビュー

『アイアンマン2』
製作年 2010( アメリカ)124分
カテゴリー:SF、アクション
監督: ジョン・ファブロー
キャスト:ロバート・ダウニー・Jr.、グウィネス・パルトロウ、ドン・チードル、ミッキー・ローク、スカーレット・ヨハンソン、サム・ロックウェル、サミュエル・L・ジャクソン
レビュー(★★☆☆☆)


アメリカンコミック原作の『アイアンマン2』は当然、突っ込みどころ満載な荒唐無稽な話で、能天気なところが楽しめる映画だが、ヒーローシリーズ物のジンクス(オイラが勝手に作ったジンクスだか(^_^ゞ)で、やはり、一作目に比べると、面白さの質が変わってしまうので、何かイマイチな感じだった。face06

では、一作目のどこが面白かったんだろか?と考えると、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)がテロリストに捕われて、何もない砂漠の牢屋の中で、アイアンマンの原型(プロトタイプ)を作った後に、自宅で対話型コンピューターを助手にアイアンマンを開発するプロセスと、その圧倒的な性能が、荒唐無稽な話ながら引きつけられ、一緒に空飛んでいる様なワクワクした感じがした。

その辺が、一作目の面白さの核だった様な気がする。

『スパーダーマン』も、『バットマン』も然りで、いずれも一作目は、主人公が、全く新しいスキルや経験を手に入れるプロセスが面白いのだ( ̄∀ ̄)。

しかし、ヒーローシリーズ物の続編には、ヒーローに内省的な試練が待ち構えていて、一作目みたいに能天気に大暴れできない状況になってしまう。

つまり、自分の中に何かの壁が出来て、それを乗り越えることにより、新たなヒーローの成長があるのだが、その辺が1作目と2作目の面白さの質の違いだと、オイラは思う。

それに、1作目の内容や脇役の登場人物との関係性をほとんど忘れてしまっていて、ドン・チードルや、サミュエル・L・ジャクソンとかが登場する度に『これ誰?』『こんな奴いたっけ??』みたいにチンプンカンプンだったのが、イマイチ乗り切れなかった理由かもしれない( ̄‥ ̄) = =3

シリーズ物の続編を観に行くときは、DVDで前作を要チェック!





  

Posted by アイスH at 12:45映画レビュー

2010年06月11日

トラボルタが暴れまくりの『パリより愛をこめて』レビュー

『パリより愛をこめて』レビュー
製作年 2010( フランス) 95分
カテゴリー:アクション
原題: From Paris with Love
監督: ピエール・モレル
製作: リュック・ベッソン

キャスト:ジョン・トラボルタ、ジョナサン・リース=マイヤーズ、エリック・ゴードン、リチャード・ダーデン、カシア・スムトゥアニク
レビュー(★★★☆☆)

製作リュック・ベッソン&ピエール・モレル監督のコンビによる「96時間」は、昨年のオイラのBest10に入る渋いアクション映画だった。

『パリより愛をこめて』は、製作リュック・ベッソン&ピエール・モレル監督で、主演がジョン・トラボルタと『 シェルター』で、多重人格者の卓越した演技が記憶に新しいジョナサン・リース=マイヤーズのスパイアクションということもあって、かなり期待して観に行った。

「96時間」のリアルさとは違って、ジョン・トラボルタ演じる捜査官(?)ワックスは、『こんな奴いねーよヾ( ̄o ̄;)オイオイ』っていう位の荒唐無稽なキャラクターで、とにかく彼の視野の中に入った悪党は、一人残らず射殺される(;´Д`)

ストーリー展開も、ありきたりで、深みなどは全くないが、ここまで吹っ切れていると、かえって清々しくさえ感じられる(笑)

「96時間」の様な渋さを期待したが、脚本に深みがない分、ジョン・トラボルタのコッテリ感と、カシア・スムトゥアニクのカワイさで、
大味だがお腹一杯っていう感じのアクションムービーだった。



  

Posted by アイスH at 23:21映画レビュー

2010年05月16日

3D日本語吹き替え版『アリス・イン・ワンダーランド』レビュー

『アリス・イン・ワンダーランド』
製作年 2010( アメリカ)109分
カテゴリー:ファンタジー
監督: ティム・バートン
キャスト:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイ、他
レビュー( ★★★☆☆)

『アリス・イン・ワンダーランド』を3D日本語吹き替え版で観た。3Dは日本語吹き替え版で観た方が楽だとオイラは思う。

ティム・バートンが「不思議の国のアリス」続編を3Dで撮ったというので、すごく期待して観たが、悪くはないがちょっと物足りないと言うか、期待外れだった。

オイラがティム・バートンの映画に期待するのは、ファンタジーの中の毒だ。
毒とは、善とか悪とかの既成概念とは切り離された、2、3歳の子供なら誰でも持っているような無邪気な残酷性みたいなものといったところかface06

その毒が足りないのだ。

頭のデカイいじわるな女王以外の登場人物(動物)は、ティム・バートン映画のキャラクターとしては、凡庸でありきたりだ。

ただし、ティム・バートン映画という特殊なジャンルでの話であって、子供と一緒に観に行く映画としては、充分過ぎるほど面白い。

でも、ティム・バートンのファンとしては、ちょっと物足りなさを感じるし、オイラが小学生の時にディズニーのアニメの「不思議の国のアリス」を観た時のワクワク感がなかった。

そりゃあ、何十年前の感性と比べて、どうのこうの言うのは、無茶苦茶だが、ティム・バートンはそんな無理なことも可能にする映画のマジックを持っている人だから、オイラはいつも期待を込めて彼の映画をワクワクしながら観るのだ。

あと、3Dも見慣れて来たら、そんなに驚きがないって言うか、3Dメガネは重くてイヤになって、『もう2Dで充分っす』って思ってしまったっすface04




  

Posted by アイスH at 16:39映画レビュー

2010年05月16日

『シャッター アイランド』レビュー

『シャッター アイランド』
製作年 2010( アメリカ)138分
カテゴリー:サスペンス
監督: マーティン・スコセッシ
キャスト:レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングズレー、ミシェル・ウィリアムズ、他
レビュー( ★★★☆☆)

「ディパーテッド」(2006年)でマーティン・スコセッシは、やっとオスカーを手にしたが、何でもっと早くやらなかったんだろうねえface03
スコセッシ版「ディパーテッド」は、オリジナル版の足下にも及ばないどうでもいい作品なのにface07

『シャッター アイランド』は、「ディパーテッド」に続く、レオナルド・ディカプリオとの3度目のコンビを組んだ作品だ。

予告やテレビCMでは、謎解きがどうのこうの言っているが、そんなのはなんかどうでもいいって言うか、なんでスコセッシが、この手のジャンルの映画を撮ったのか、そっち方が謎だった。

これが本当に、『タクシードライバー』や『レイジング・ブル』を撮った監督の作品なのかと、映画を見終えて思った。

そして、ますます謎が深まるばかりだ。
なぜ、今更、こんな使い古された仕掛けの映画をスコセッシが撮ったのか?
正直、大どんでん返しとか飽きたし、そんな映画をわざわざスコセッシが撮らなくともいいのに(-_-)
スコセッシもヤキが回ったのか?

もう一度、『レイジング・ブル』みたいなスゲー映画撮ってくれないんだろうかface13

マーティン・スコセッシ作品というのを除けば、まあ、デートムービーとしては、まあまあ、いいんじゃないっすか(^_^ゞ

レオナルド・ディカプリオも、大人になって、ちょっとは貫禄がでてきたし( ̄∀ ̄)


スコセッシ作品で、地味だけど隠れた名作『アフター・アワーズ』(1985)が、急に観たくなった。
  

Posted by アイスH at 02:44映画レビュー

2010年05月03日

久々の正統派SF『月に囚われた男』レビュー

『月に囚われた男』
製作年 2009( イギリス)97分
カテゴリー:SF
原題: Moon
監督・脚本: ダンカン・ジョーンズ
キャスト:サム・ロックウェル、ドミニク・マケリゴット、カヤ・スコデラーリオ、ケヴィン・スペイシー(声の出演)

レビュー( ★★★★☆)

恵比寿ガーデンシネマで正統派SF『月に囚われた男』を観た。
SF映画に正統派なんてジャンルはないが、CGが登場する以前の雰囲気を持ったSFと言う意味でオイラが勝手に書いてみた。
最近のCGやら、VFXてんこ盛りのSFには正直、食傷気味である。

「アバター」の3Dの映像は確かにスゴいが、名作「惑星ソラリス」(勿論タルコフスキー版。間違ってもソーダバーグ版のリメイクではない)のような、登場人物が数人しか出てこないような、人間の孤独やら、謎やらが詰まった静寂に包まれたような"正統派"のSF映画が観たくて堪らなかった。
たとえば「サイレント・ランニング」や「惑星ソラリス」(勿論タルコフスキー版)、「2001年宇宙の旅」みたいな映画face06

オイラが勝手に定義する"正統派のSF映画"とは、「哲学的なテーマ」「寂寞(せきばく)とした風景、あるいは別世界」「登場人物が10人以内」「派手なアクションがない」「しかも、どこか退屈ですらある」等々だが、『月に囚われた男』はこの全てを久しぶり満たした映画で、オイラはこの映画を、( ̄ー ̄うん(_ _( ̄ー ̄そうそう(_ _これこれ(´∇`)と思いながら観ていた。


『月に囚われた男』は、CGもエイリアンも登場しない、低予算で月が舞台の正統派SF映画である。
ストーリーは、3年間の契約で月にたった一人で滞在し、地球で必要なエネルギー源を採掘する仕事に就くサム(サム・ロックウェル)の話し相手は1台の人工知能コンピュータ(声のみ:ケヴィン・スペイシー)だけの環境だったが、任務が終了し地球に帰るまであと2週間というある日、サムは事故を起こしたことをきっかけに、そこにいるはずもない自分とそっくりの男と遭遇するといった内容だが、たった数行のあらすじだけでも、"正統派のSF映画"の匂いがプンプンするなあ(´∇`)

最近のVFXてんこ盛りもいいが、SFの神髄は地味でもなお面白い発想だと思う。
この映画で”地味でもなお面白い発想”がサムの唯一の話し相手、人工知能コンピュータのガーティだ。

人工知能コンピュータといえば、「2001年宇宙の旅」に登場するHAL9000みたいな、怖い奴を想い出すが、ガーティはSF映画史上、もっともお人好しで、正直者のコンピュータで、感情表現をディスプレイ上に、スマイルマークface02や、困った顔のフェイスマークface07で表示するチープなところが、ホノボノして実にいい( ̄∀ ̄)

あと、この手の正統派SF映画にありがちな勿体ぶった所が一切ないところが良い。

正統派SF好きの人は、マストの一本icon22
間違っても、「アルマゲドンが最高!!」と言う人は観るな!!  

Posted by アイスH at 11:45映画レビュー

2010年04月24日

3Dでなくても面白い『第9地区』レビュー

『第9地区』
製作年 2009( アメリカ)111分
カテゴリー:SF
原題: District 9
製作: キャロライン・カニンガム、ピーター・ジャクソン
監督:ニール・ブロムカンプ
キャスト:シャルト・コプリー、デビッド・ジェームズ、ジェイソン・コープ、バネッサ・ハイウッド
レビュー( ★★★★☆)

ジョン・レノンは、国なんてなくなるのを想像してごらんと歌ったが、人類が次のステージにシフトしたらそれも可能になるだろう。
次のステージとは、テクノロジーの発達と新しい概念を手に入れた時だ。

たとえば、今から高々150年程前の一般的な人間の行動範囲は、半径数十Kmのエリアで一生を終えたという。
日本も400年前の戦国時代は、今の県ほどの領土が"国"で、それぞれの国同士が、他の国を攻めたり守ったり、殺し合いをしていたわけだ。
今の価値観で考えたら、そんな狭いエリアを命がけで、取っただの、取られただの、やってた訳だ。
それが、やがて日本は一つの国になって、今度は外国と戦争を始めた。

ジョン・レノンは『国なんて、ちっちゃいこと言ってんじゃねーよ』と歌ってたかどうかは、別として、たとえば、ドラエモン(≡ ̄♀ ̄≡)の”どこでもドア”が発明されたとしよう。
今まで遠くの異国がドアを開るだけで、隣町に行くみたいに気軽に行き来ができるようになれば、かつて日本にいくつもあった国がなくなったみたいに、国なんて概念はなくなるかもしれないと、オイラは思うわけだ。

”どこでもドア”は無理でも、日本からLAまで、1時間で行ける宇宙航空機とかなら可能かもしれないが、テクノロジーだけでは、新しい価値観や概念を手に入れることは無理かもしれない。そもそも人間は頑固で、不寛容だからface07

もし、それができるとしたら、宇宙人が地球にやって来た時に、あらゆる価値観が変わり、人類は初めて○○国人ではなく、地球人としての新しい概念を手に入れる事ができるかもしれない。

前置きが長くなったが、『第9地区』は宇宙人が巨大な宇宙船で現れて、28年後の南アフリカのヨハネスブルグが舞台の映画だ。
では、映画の中の人類達は地球人として、新しい価値感や概念を手に入れることができたのか?
答えはNOface15
と言うか、もっとひどい状況だ。
地球人達は、宇宙船が故障して餓死寸前だった宇宙人たちを難民として、第9地区と呼ばれるスラム街に強制移住させている。
宇宙人の姿は、地球人の価値観からすれば、不気味で、人間たちは彼らを"エビ"という蔑称で呼んで蔑んでいる。

舞台が南アフリカだけに『第9地区』が、かつて南アフリカの白人たちが行っていた人種隔離政策アパルトヘイトのメタファーということに直ぐに気がつく。

遥か遠い惑星から巨大な宇宙船に乗ってやって来るほどの、高度な科学力を持った異星人を、人間達はその姿形だけで蔑んでいて、彼らを保護している政府も偽善的だ。
人間たちが浅はかな生物なのは明白なのだが、宇宙人の姿があまりにも我々とかけ離れている為、映画を見ている観客も初めのうち、その"浅はかさ"に共感しながら観ているが、主人公ヴィカスが宇宙人と共に戦う様を観ているうちに、異星人と地球人の友情とまでは言わないが、全く異質の生命体同士の「魂の共感」に、人間たちの"浅はかさ"に気がつくという、実にうまいプロットになっている。

だが、この映画は、そんな小難しいことを言っているわけではなくて、映画の前半は、宇宙人が酒に酔ってゲロを吐いたり、立ちションをしていたり、主人公の小役人ヴィカスが宇宙人相手に、第10地区に移設させる形ばかりの書類に、大真面目にサインさせるようなお役所仕事がバカバカしく、偽善的で不寛容な人間社会をうまく皮肉っていて面白い。

ストーリーも、スピーディーでテンポもよくてface02

特に宇宙人の作った武器がスゴくて、人間が木っ端みじんになってしまう。
ただ、この映画はPG12(parental guidance12:12歳以下の鑑賞は親の判断で同伴が必要)だが、子供向けSFと思って子供を連れて行く親がいそうで怖いねface07

まあ、とにかく、キャストも無名で、監督も無名の新人というのに、一癖も二癖もあるこのエイリアン物のSF映画は、2Dでも『アバター』より面白いface03
12歳以下のこども以外に、おすすめ!!


  

Posted by アイスH at 03:03映画レビュー

2010年04月19日

ジョージ・クルーニー主演『マイレージ マイライフ』レビュー

『 マイレージ マイライフ』
製作年 2009( アメリカ)109分
カテゴリー:ドラマ
原題: Up in the Air
監督:脚本:ジェイソン・ライトマン
原作:ウォルター・キム
キャスト:ジョージ・クルーニー/ジェイソン・ベイトマン/ヴェラ・ファーミガ/アナ・ケンドリック/ダニー・マクブライド
レビュー( ★★★☆☆)

“バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない”をモットーに年間322日間も出張し、リストラ対象者にくびを言い渡す仕事をしているライアン・ビンガムは、リストラ宣告人というヘビーな仕事をしながら、他人とは関わらず、結婚願望もなく、お気楽に生きている。

毎日、全く無駄のない動きで空港のゲートを通り抜け、ホテルでは会員優先の特権を活かし、行列を尻目にチェックインし、人との深い関わりを持たず、しがらみとは無縁のお気楽な彼の密かな夢は、マイレージを1,000万マイル貯めること。

そんなある日、新入社員ナタリーが発案したコスト削減のネットを使ったリストラ宣告を会社が取り入れたため出張は一切禁止という命令が下る。
彼は、ネットリストラ実現するまでの間、新入社員の実習を兼ね、彼女と出張をする羽目になる。それと同時に、ホテルのバーで知り合った同業者の女性アレックスの”お気楽な関係”やライアンの家族とのつながりに微妙な変化が生じて来て、彼は、”何も入っていない彼の空っぽのバックパック”に何を入れるべきか、考え始める。

映画の前半は、ライアンの風変わりな生活と、ある種の哲学のようなこだわりぶりが楽しめるが、中盤あたりから何かしっくり行かない居心地の悪さを感じた。

それはたぶん、ライアンのキャラクターの造形が浅く、どこか思慮深そうにみえてしまうジョージ・クルーニーと、ただ軽く空っぽなだけのライアンのキャラクターのギャップだと思う。

ジョージ・クルーニーがミスキャストだと言っているのではない。
物語の前半部では、しがらみから逃れ、自由にお気楽に人生を楽しんでいる男にしかみえないのに、中盤あたりからリストラ宣告人という職業に彼なりの確固たる誇りと哲学を持っているのがわかる。
そんな男が何の理由もなく、ただ軽く空っぽな人生を送れるはずがないと思うからだ。
その辺の違和感(-_-)

映画の中で、新入社員ナタリーに、『なぜ地に足が着いた生き方をしないのか?』と問われても、ライアンは『きっかけは、ただ、一人になりたかっただけ』と言うだけで、説得力がない(-_-;)
そこがこの映画の骨子なのに。。。
そこを隠すのはいいが、彼の家族との関係とか過去の出来事などで観客に提示しないと、物語の底が浅く感じてしまうface15

ジョージ・クルーニーが、いい演技をしていた分、どっち着かずのキャラクター設定が残念face03


オイラも高校時代、『俺は、なんのシガラミもない生き方をしよう』と思っていて、高2の進路調査の希望進路の欄に『木こり、または詩人』と書いて、担任の先生にひどく怒られたface07

”木こり”と”詩人”は、深い森の小屋に一人で住んで斧で木を切り倒したりしながら、詩を書いて暮らしているのをイメージして書いたんだけど、先生が真面目に書けと言うので、成績は学年で後ろから数えた方が早い程悪いのに『東大に進学』と書て出したら、また、担任に呼ばれて、
『東大って何?』と聞かれたので
『先生!東大とは東京大学のことですよ』と元気いっぱいに答えて、あきれられた(;´д`)トホホ…

さすがに木こりにも、詩人にもなれなかったが、30過ぎても、『俺は子供も嫌いだし、結婚なんかするつもりはないから、結婚したいなら別の男を探せよ』とこの映画のライアンと全く同じようなセリフを、当時付き合っている彼女や、今の嫁にもワザワザ言って、お気楽な人生を送っていた。

そんなオイラも、なぜか結婚して今では子供もいるが、結婚して判ったことは、”何事も頭の中で考えていただけでは判らない”ということだ。
実際にやってみたら結婚生活も意外といいし、何よりも子供が生まれたら自分でもビックリくらい可愛かった。
予想がつかないから人生は楽しいface02  

Posted by アイスH at 18:14映画レビュー

2010年04月12日

『シェルター』レビュー

『 シェルター』
製作年 2009( アメリカ)112分
カテゴリー:サイコ・スリラー/ホラー
監督:マンス・マーリンド/ビョルン・ステイン
脚本:マイケル・クーニー
キャスト:ジュリアン・ムーア/ジョナサン・リス・マイヤーズ/ジェフリー・デマン/フランセス・コンロイ/ネイト・コードリー/ブルックリン・プルー/ブライアン・A・ウィルソン/ジョイス・フューリング/スティーヴン・リスハード/チャールズ・テックマン/ジョン・ピークス
レビュー( ★★★☆☆)


なんの予備知識もなく、横浜桜木町のブルク13で『シェルター』を観た。

あらすじは多重人格を認めていない精神分析医のカーラは、ある日、多重人格と思われるデヴィッドと名乗る男性を診察すると、彼の中からアダムという粗暴な人格と入れ替わる。

カーラは多重人格を否定しようと調査を進めるが、デヴィッドは実は25年前に死んだ故人であることが判明し、しだいに歴史の闇に葬られたおぞましい事実が明らかになって行くといった内容であるが、最初はサイコサスペンスかと思って観ていたら、謎を解き的な内容が、徐々に科学では証明できないような内容に展開して、初めてスリラーものかと気が付いた。

中盤までは、不可解な現象の謎解きのため、謎の点と点を結んでいく展開は引きつけられたが、後半から徐々に宗教や信仰と超常現象が結びついていく辺りから、期待していたような意外性もなく、途中まではちょっと怖い展開だった分、最後が陳腐な話になってしまったように思える。

恐怖って、理由とかよく解らない謎のままの方が怖い思えるのだが。。。

それにしても、ハッピーエンドは決して好きな訳ではないが、あのラストは後味の悪さは、すごーく嫌な気分になったね。face07


  

Posted by アイスH at 22:55映画レビュー

2010年04月04日

『ウディ・アレンの夢と犯罪』レビュー

『ウディ・アレンの夢と犯罪』
製作年 2007( イギリス)108分
カテゴリー:サスペンス
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ユアン・マクレガー/コリン・ファレル/トム・ウィルキンソン/サリー・ホーキンズ
レビュー(★★☆☆☆)

『ウディ・アレンの夢と犯罪』を恵比寿ガーデンシネマで観た。
ウディ・アレンと言えば、ニューヨークを舞台にした、彼の独特なシニカル視点とウエットに富んだコメディ『アニー・ホール』『マンハッタン』などを思い出すが、『ウディ・アレンの夢と犯罪』は ロンドン三部作の最終章で、ちっぽけな野心の為に人の道を外れた人間の自滅を描いたシリアスドラマだ。

ロンドン三部作のひとつ、2005年の『マッチポイント』は観たが、スリリングな展開でロンドンロケの犯罪物ということもあり、今までの彼の作品とは違った雰囲気の作品で、結構面白かったが、本作の『ウディ・アレンの夢と犯罪』もロンドンロケの犯罪物でユアン・マクレガーとコリン・ファレルが主演ということもあり、かなり期待していたが、見終わった感想は『こんな駄作を本当にウディ・アレンが撮ったの?』と言うものだった。

どんな天才でも、常に傑作を生み出せるはずもないが、全般的にストーリーの表面をなぞったような印象で、『ユアン・マクレガーってこんな大根役者だったけ?』と思わせるような 取ってつけたようなシーンの連続で、予定調和的な結末に向けた底の浅い展開なように思えた。

ストーリーは、ユアン・マクレガーとコリン・ファレルが扮する 、投資で成功を夢見る兄のイアンとギャンブルで巨額の借金を背負った弟のテリーが、救いを求めた大金持ちに叔父にある人物の殺人を依頼され、彼らは悩んだ挙げ句に人としての一線を越え、罪悪感から破滅へ向かう物語だ。

イアンとテリーは何処にでもいる労働者階級の若者で、いくら彼らが窮地に追い込まれた状況とは言え、簡単に人を殺せるような人間ではなく、当然のごとく激しく葛藤する。
しかし、ウディ・アレンの演出は予定調和的で、葛藤する彼らの感情には届かず、薄っぺらな印象しか残らない。

ウディ・アレンも、もう焼きが回ったんだろうか?

「ロンドンはもういいから、ニューヨークに戻って昔みたいな知的でシニカルなコメディー映画撮ってくれよ」と昔を懐かしむオイラも、年を取ったのかもしれないface03





  

Posted by アイスH at 01:27映画レビュー

2010年03月27日

『抱擁のかけら』レビュー

製作年 2010( スペイン)128分
カテゴリー:ドラマ
監督: ペドロ・アルモドバル
キャスト:ペネロペ・クルス、ルイス・オマール、ブランカ・ポルティージョ、ホセ・ルイス・ゴメス、ルーベン・オカンディアノ
レビュー(☆☆☆)

スペインの巨匠ペドロ・アルモドバルの『抱擁のかけら』を観た。
ストーリーは、かつて映画監督だった盲目の男(ルイス・オマール)は、過去も本名も捨てハリー・ケインと名乗り、映画の脚本ライターをしている。

ある日、謎の男が彼を訪ねてきたことにより、彼がなぜ光を失ったのか?、なぜ本名を捨てたのか?を、14年前の映画撮影現場で彼が愛をささげたレナ(ペネロペ・クルス)との愛の物語を中心にその謎が語られるといった内容だ。

 ひとりの美しい女の為に破滅してしまう『赤い航路』や『ダメージ』のような話を期待していた分、ストーリー的にはちょっと陳腐な話で期待はずれだったが、男の過去が徐々に明かされる展開は実にうまい。
しかし、くどい。無駄に長すぎる。レナを主演に撮った映画のシーンは、何の意味もない長いシーンが延々と続いてウンザリしてしまった。

 意味があるとすれば、劇中劇の中のペネロペ・クルスは、オードリー・ヘップバーンのように清楚で”美し過ぎる”点だけだろう。
 最近、大して美人でもないのに、”美しすぎる”市議会議員とか、”美しすぎる”女子プロゴルファーとかマスコミがやたら言っているが、”美しすぎる”
と言っていいのは、この映画にでてくるペネロペ・クルスみたいな、「この女のためなら、どうなってもいい」と思わせる女だけだ。
 ”美しすぎる”市議会議員も、”美しすぎる”女子プロゴルファーも”その業界の中でちょっとだけ美人”と言ってもらいたいものだ。  

Posted by アイスH at 00:48映画レビュー

2010年03月27日

『恋するベーカリー』レビュー

『恋するベーカリー』
製作年 2009( アメリカ)120分
カテゴリー:ハートフル・ラブコメディー
監督:ナンシー・マイヤーズ
キャスト:メリル・ストリープ、アレック・ボールドウィン、スティーヴ・マーティン
レビュー(☆☆)

メリル・ストリープ主演の『恋するベーカリー』を観た。
メリル・ストリープ演じるジェーンは10年前に離婚して3人の子供を育て上げ、充実したシングルライフを送っている、人気ベーカリーを経営する実業家で邦題は『恋するベーカリー』とちょっと馬鹿みたいなタイトルがついていてベーカリーが舞台のラブコメディーかと思っていたら、ベーカリーはあまり関係ない。

ストーリーは、離婚した元の夫と偶然の再会によりベットインしたことにより新たな関係性ができ(元の夫は新しい家族を持っているので不倫関係)、しかも新しい恋人との微妙な三角関係がコミカルに描かれている。

 ジェーンの設定は、メリル・ストリープの実年齢の50歳台の社会的に成功した富裕層の女性で、ジェーンが友人の熟女たちと繰り広げるガールズトークは微笑ましく楽しいが、これを言ったら実も蓋もないが、まあどうでもいいような他愛無い話ではある。

 しかし、演技派女優メリル・ストリープを中心に、実に身勝手だけど憎めない元夫のジェイクを演じるアレック・ボールドウィンと、実直で傷つきやすいアダムを好演するスティーブ・マーティンの三人のベテラン俳優陣の演技が、ストーリーに厚みを持たせていて、ハートフルな味付けの大人のラブコメディーに仕上がっている。  

Posted by アイスH at 00:38映画レビュー

2010年03月24日

『ラブリーボーン』 レビュー

『ラブリーボーン』
製作年 2009(アメリカ=イギリス=ニュージーランド)135分
カテゴリー:ファンタジー
監督:ピーター・ジャクソン
キャスト:マーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ、スーザン・サランド、スタンリー・トゥッチ、マイケル・インペリオリ、シアーシャ・ローナン
レビュー(☆☆☆)

最近友人のKが急死した。正確には急死していた。

ある夜、彼の弟から電話があった。
『兄が先月の末に病死しました。葬儀は身内だけで密葬しました』と。。。
突然の知らせに、言葉もなかった。ちょっと前にメールのやり取りをしていたのに。

友人のKは、生涯独身で、ネコと競馬と映画を愛する自由人だった。
Kと会うと必ず、挨拶代わりに「あの映画観た?」とお互いに最近みた映画の感想を語りあった。
(松田優作の”探偵物語”の探偵と骨董屋のように。。。)

葬式にも出ていないので、Kが死んだ実感はない。
Kももっと生きたかったろうが、充分に生きたと思いたい。

人は必ず死ぬ。そんな当たり前のことを、普段はまるで人事のように忘れている。
しかし、どうあがいても、いつか人は必ず死ぬ。
だから、とても短い人生の中で、懸命に自分のやりたいことを見つけて、何をやらなければならない。
何もしないと、きっと後悔するから。。。

 ゆえに、若くして人生が終わってしまうことほど、切ないことはない。
最近報道されている幼児の虐待死や若者の自殺など、いたたまれない気持ちになる。
彼らには、何かをみつける十分な時間すら与えられなかったのだから。。。。

『ラブリーボーン』は14歳で変質者に殺された少女の目を通して、残された家族や、短い自分の人生を見つめなおす物語だ。
主人公の少女スージーは、初恋の相手との初めてのデートの前日に、狡猾な変質者にレイプされて殺される。
スージーは自分が死んだことを自覚できずに、この世と天国の狭間のとても美しい世界から、こちらの世界をみつめている。

若い頃は、死後の世界とか、永遠とか、宇宙とか自分の考えが及ばない事について考えを巡らせたものだが、特定の宗教は特に信じていないオイラでも、こんな天国みたい美しい世界があればいいなあと思いながら映画を観た。

この映画は、変質者に殺された少女の物語でありながらファンタジーという、今まであまりない種類の映画だと思うが、テーマを絞りきれていなのか、残された家族の描かれ方とか脚本が弱いところがあるように思う。
 特にスーザン・サランドの様な大物女優を使いながら、彼女がただのファンキーなバアさんで終わっていて、ストーリー上なにも機能していないキャラクターになってしまっているのが、非常に残念だった。
 原作でそのような設定だったのかもしれないが、残された家族の傷をいたわるような重要なキャラクターだったような気がするが。。。

この映画は、残された家族によって、犯人が追いつめられるくだりはあるが、犯人が捕まるかがテーマではない。
若くして命を奪われた少女の魂の浄化がテーマである。  

Posted by アイスH at 17:45映画レビュー

2010年02月19日

パラノーマル・アクティビティ

『パラノーマル・アクティビティ』
製作年 2009(アメリカ)86分
監督:オーレン・ペリ
キャスト:ケイティ・フェザーストーン、ミカ・スロート
レビュー(☆☆)


低予算でドキュメンタリー・タッチのホラー映画と言えば、「ブレアウィッチプロジェクト」の悪夢(いろんな意味で)を思い出す。(笑)

 この映画は、100万円という超低予算映画で製作され、スピルバーグがリメイクをしようとしたが、これ以上の恐怖を演出することができないと断念したというエピソードも加わり、全米で爆発的ヒットした映画だ。

 「ブレアウィッチプロジェクト」がヒットした時は、ホームビデオで撮ったチープな映像を逆手にとって、インターネットを効果的に利用して本当に起きた事件のように宣伝したため、低予算にも係わらず、口コミで大ヒットした。
 しかし、恐怖映画としては、「何かいる・・・・。何かが起きる。ワァーー!ギャ~~!」にみたいなことを言って、結局、何も起こらずみたいな映画で、オイラは心底『金返せ~!』と思った映画だった。face07
 この『パラノーマル・アクティビティ』も、「ブレアウィッチプロジェクト」の悪夢再びか!!と思って観たが、前半は案の定、固定カメラで一晩中、寝室で寝ているカップルを映した映像に、変な音が録れていたり、ドアが勝手に閉まったりするだけで、肩透かしを食うが、中盤あたりから徐々に異常な現象が多発するにつれ徐々に恐怖が増す上手い演出をしている。
 後半の何分かの映像は、スピルバーグの意見を取り入れて撮り直しただけあって、結構、怖いし、低予算でも、アイデアと演出で見ごたえのある映画だと思う。
 特にラストも衝撃的な結末で、「ブレアウィッチプロジェクト」とは、まったく違って結構怖いface04

 ただ、ホラー映画としては、マイ・ベスト・ホラー映画の『エクソシスト』や『ザ・リング』のラストには、遥かに及ばないface15
 この映画は、”スピルバーグがリメイク・・・云々”と宣伝するよりも、「ブレアウィッチプロジェクト」がインターネットを効果的に使って集客したような方法で、何の予備知識もなく、本当に起きた事件の映像と思わせて見せた方が、より恐怖を味わえる映画になったと思う。
 ただ、100万円で何十億も稼ぐビジネスとしては、最高だが。。。。。face03

  

Posted by アイスH at 13:30映画レビュー

2009年12月31日

『THE 4TH KIND フォース・カインド』レビュー

『 THE 4TH KIND フォース・カインド』
製作年 2009(アメリカ)99分
監督:オラトゥンデ・オスンサンミ
キャスト:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ウィル・パットン、イライアス・コーティーズ
レビュー(☆☆☆)

 なんの予備知識もなしで『フォース・カインド』を観た。
ストーリーは 2000年10月 アラスカ州ノーム在住の心理学者アビゲイル・タイラー博士のもとに、不眠症を 訴える住民が次々に訪れる。タイラー博士は、催眠療法で彼らが眠れない理由を解明しようとしたが、記録用に撮れたビデオ映像に、残された衝撃的な映像が。。。。という内容で実際の事件を役者が演じる再現映像に"記録映像"や"実在する録音テープの音声"が挿入される形式で進んで行く。

 予備知識もなく観に行ったが、映画が始まってすぐに『THE 4TH KIND』とは、宇宙人による誘拐の話だと気がついた。子供の頃から、矢追純一のUFO特番をチェックしてきたオイラにも、 この映画の"記録映像"のパートは衝撃的な内容だった。もしテレビで特番を組んだら、高視聴率を取れる内容だと思うが、この事件や劇中の "記録映像"や登場人物が実在のものかは???face13

 オイラの友達は、クリスマスに彼女とこの映画を観に行って、彼女に「こんなつまんねー映画見せやがって(#゚Д゚)!!」と途中退場して怒られて、お詫びに高額なクリスマスプレゼントを無理やり買わせれたという、映画以上に怖い事件になったと愚痴っていた。(しかも、映画代は友達が払ったのに。。。(;´д`)トホホ…)

 この映画の内容の信憑性については良く知らないが、オイラの映画をみるスタイルは、”例えそれが荒唐無稽な話でも、映画の中では真実”というスタンスで常に映画を観ているし、その方が映画を楽しめるので、勿論、この映画の"記録映像"や事件も本当に起こったこととして観たので、UFO好きのオイラにはとっては、面白い内容だった。でも、結構、突っ込み所はある映画だが。。。

 それにしても、この手の超常現象とか宇宙人とか全否定する人がいるが、普通の人はそんな良く解らないものは『まあ、そんなこともあるんじゃね?』程度の反応だが、全否定派の過剰反応には参ってしまう。
 昔、友達にテレビの特番でみた宇宙人の解剖映像の話を酒を飲みながら話したら、『そんなテレビ局がねつ造した、ホラ話を真に受けるな!icon08』と激昂されたことがあるが、この映画は決してその手の人と観に行ってはいけない。
最悪の場合、お詫びに高額なプレゼントを無理やり買わせられ散財させられる事件に発展するかもしれないからface15


  

Posted by アイスH at 12:30Comments(0)映画レビュー

2009年11月10日

『カイジ 人生逆転ゲーム』レビュー

『カイジ 人生逆転ゲーム』
・製作年 2009年(日本) 上映時間 129分
・カテゴリー:ドラマ。コメディー。
・監督:佐藤東弥
・キャスト: 藤原竜也 天海祐希 香川照之 山本太郎 光石 研 松山ケンイチ 松尾スズキ 佐藤 慶
・レビュー(☆☆☆)

 今日は別に暇ではないが時間がポッカリと突然空いたので、何の予備知識もなく『カイジ 人生逆転ゲーム』を観た。
チケット買ってから気がついたんだけど、この映画はオイラの最も苦手とする漫画原作のテレビ局制作の映画ではないかΣ( ̄□ ̄; ) ガーン

 でも、結論から言うと思いがけず割と楽しめた(´∀`)

 まあ、こういう映画は、脚本のひねりがどうの、演出がこうの言うのも野暮ってもんだし、ストーリーの先が読めるので何も考えずに物語の流れに身を任せて楽しめばいいんだけど、『やっぱり、“沈まない太陽”を観ればよかった』とちょっと後悔した。(時間が合わなかったので断念したんだけど。。。)
 このての映画はDVDで観ても充分なんだけど、DVD化されても絶対に観ないので、まあ、いいか(^_^ゞ

 ストーリーの先が読めると言えば、先日、ダウンタウンの松本人志の映画批評本の『シネマ坊主』を図書館で借りて読んだら、”ストーリーが読めてつまらない”とか”ラストのオチが判ってダメ”とか、如何にも『ストーリーの先が読めるから、俺って鋭いじゃん』的なことを書いていて、程度の低さにびっくりしたface03
 別にストーリが先読みできたから、偉い訳でもないし、先読み出来る映画がダメってわけでもない。(中には退屈な映画もあるけど。。。)
 そういう映画を楽しめないお前が損なんだよって思いました( ̄ε ̄)(余談ですが。。。。)

 主演の藤原竜也も、香川照之も演出なのかどうかは知らないが、マンガチックでケレン味たっぷりの演技をしていたが、藤原の演技はワザとらしいだけなのに、香川の演技は見事にストーリーにハマっていて、やはり一枚上手だなと感心した。

 中盤の見せ場の鉄骨渡りのシーンは、長過ぎてちょっと退屈だったが、高所恐怖症気味のオイラは、結構ドキドキだった。(10億円貰っても無理( ≧▽≦))

 ストーリーは、自堕落な日々を送るフリーターのカイジは、友人の借金の保証人になったために多額の負債を抱えてしまい、一夜にして大金を手にできる船に乗るはめになり、人生を逆転するための命懸けの戦いに挑むことに。。。。。  

Posted by アイスH at 02:13映画レビュー