2011年04月24日

大失敗作『ツーリスト』レビュー

『ツーリスト』
原題:THE TOURIST
製作国:2010年アメリカ
カテゴリー:ロマンティック・ミステリー、コメディー(?)
上映時間:103分
監督: フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
脚本: ジュリアン・フェロウズ
撮影: ジョン・シール

キャスト:ジョニー・デップ、アンジェリーナ・ジョリー、ポール・ベタニー、他

レビュー(☆)


故・淀川長治さんは、「どんな映画でも良い所は1つはある」

というような事をおしゃっていたが、映画『ツーリスト』は、

ブログのタイトルで書いたように、近年稀にみる大失敗作で駄作だ。(ё_ё)

それでも、1つくらいは良いとこも、あるので先ずは、良い所を探してみよう。

・主演のアンジーが美しい(○ ̄∀ ̄)ノ
・ロケ地のベネチアの街が美しくて、映画を観たら行きたくなる。

後は、( ̄^ ̄;)ウーン (ー'`ー ; )んー (-ω-; ムム…

残念ながら、それだけ。。。。。_| ̄|○ フー ( ̄‥ ̄) = =3


では、やや辛口に映画批評を。。。。。



先ずは、この映画は、、第68回ゴールデングローブ賞の
ミュージカル・コメディ部門の作品賞、主演男優賞、主演女優賞で
ノミネートされた作品である。

ロマンティック・サスペンスにかかわらず、ミュージカル・コメディ部門に
ノミネートとは、ハリウッド外国人記者協会に所属する各国の映画記者は、
頭がおかしくなったのか?
ヘ(^∇^ヘ)ヘ(^∇^ヘ) ウヒョヒョ

やはりアカデミー賞しかり、ゴールデングローブ賞しかり、
なんとか映画賞なんて、何の価値もないことが露呈してしまったな(o`ー,´) ニヤリ


ストーリーはと言うと、謎の美女エリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)は、
インターポールに監視されている。

インターポールは、彼女の恋人で犯罪者のアレクサンダー・ピアースを
捕まえようとしているが、ある日、彼女の元に恋人のピアースから手紙が届く。

手紙には、『リヨン駅から列車に乗り、自分の背格好に似た人物を探せ。」との指示。

彼女は、インターポールの捜査官たちをまいて、ヴェネチア行きの列車に乗り込み、ある男と出会う。

それがジョニー・デップ扮するアメリカからのツーリストで、平凡で退屈そうな数学の教師のフランク。


謎の女と平凡な男は出会い、列車のレストランで、ワイン飲みながら会話をする。



映画はここまで、かなりの時間を費やす。

が、

なんのサスペンスも、なんのエモーションも、気のきいた会話も一切ない(+_+)


時間だけが動いているが、何も起こらない、ゆるいテンポで、
てっきりスパイアクション映画だと思って観に来たオイラは、
「一体この映画は、どんな映画なんだ!?」
と不思議な気分になった。

このゆるいテンポには、何かしらの伏線が隠されているのか!?( ̄□ ̄)
と、思いながら観ていたが、
ギャングの親分が出てきても、
謎の女とキスをしても、
殺し屋に追われてヴェネチアの瓦屋根伝いに逃げ回っても、
なんのサスペンスも、ロマンスも生まれず、
なんとも、ゆる〜い中途半端なコメディー風なテンポのまま、
映画は終わる。

しかし、ネタバレになるから、書けないが
あるバカバカしいオチというか、なんと言うか(;´Д`)
客を低能扱いしたような、驚愕の事実がっ!!( ̄□ ̄;!!

なにが驚愕かというと、このオチというか設定がこの映画のダメな原因だからだ。

謎の美女には、なんだか凄い謎の恋人がいて、
ダサくて地味で暗くて平凡で退屈な数学教師がある日出会っても、
決して、なんのロマンスも生まれないし、平凡な数学教師は
どう見ても、ただの脇役でしかない。

それが最後に、ドヤ( ̄∀ ̄)みたいな顔されても、

ええっΣ( ̄□ ̄; ) ガーン ヽ(Θ゚Д゚)ノマジスカァァみたいな(笑)

って、書いても、一体何ことか解んないだろうなあ( ̄ε ̄)


話を整理すると、この映画の最大の失敗は、
ラストのオチが全てみたいなプロットが失敗の原因だと思う。

なんか、とって付けたような大ドンデン返し!!なんてやったところで、

ヾ(・ε・。) オイオイオイ そんな低能扱いしないでくれたまえ( ̄‥ ̄) = =3
ってな感じ(笑)

そんな事より、男と女の出会い、人生の一瞬の交差、エモーショナルな会話、
あきらめや、切なさ、ゴージャスな食事。。。。などなど、
映画で描くべきことは、山ほどあるだろ(#゚Д゚)凸ゴルァ!!

特に、アンジーとジョニー・デップが共演しても、何も生まれなかった
脚本、演出は犯罪的。。。(-。-)

最近これほどの、大失敗作で駄作の映画もないので、
映画館で何がダメなのか、是非確認して見て下さいね(○ ̄∀ ̄)ノ


  


Posted by アイスH at 01:08☆レビュー

2011年04月04日

大津波

一体何が起きたのか?
なぜ、そんなことが起こったのか?
なぜ、大勢の命が失われたのか?

答えはない。
しかし、問わずにはいられない。
なぜ?と。。。


3月11日
あの日、大勢の人たちの命を巨大な波が一瞬に全てを飲込んでいった。
そこには、平凡で穏やかな生活があった。


ある人は、波にのまれて固く繋いだ手が離れ
一人は助かり、愛する人は帰らぬ人となった。

ある人は、『俺はここにいる。お前は逃げろ』と言った。

また、ある人は、高台で難を逃れ、自分の街が
真っ黒な波に押し流されるのを呆然と見ていた。

なぜ?
答えはない。




大震災から、3日間はただ呆然とテレビを朝から晩まで観ていた。
パニック映画のシーンみたいな映像が、本当に起きたことなのだ。

そのうち、自分の感覚が麻痺して
恐ろしいのか、悲しいのか、怒っているのか
分からなくなってしまった。

ただ、とてつもない無力感に襲われる。

何かをしなければ!!
でも、何を?
募金はした。

後は?



大勢の人たちの命が一瞬に失われた。

多くの人達は、平凡で何事もなく生涯を終えるはずだった。

普通で平凡な生活がどんなに尊いことだったか。。。。




昔観た映画『普通の人々』の主人公の少年は、
嵐に巻き込まれ転覆したヨットに掴まり
兄と励まし合いながら、助けを待っていた。

しかし、兄は力尽きて、帰らぬ人となった。
少年は、生き残った事に負い目を感じる。

なぜ、自分よりも、遥かに優秀で強い兄が死んだのかと。。。

嵐の中で、つないでいた兄の手が離れた。
なぜだ?

ある日、心を閉ざした少年は、精神科医の男に
行き場のない感情をぶつける。

「なぜ、手を離した?」
「疲れたからだ」

「なぜ、自分よりも強い兄が死んで自分が助かった?」
「おまえの方が強かったからだ」



大勢の命が失われたことには理由はない。
でも、それはただの言葉だ。

なにが起きても、生き続けることには理由がある。
これも、ただの言葉でしかない。


行動だけが全てだ。




被災地の気仙沼で、船を流された漁師のインタビュー。

「また、漁業を続けるか?」の問いに

『俺は、やる。俺は60過ぎだけど、また、俺はやるよ』



どんなに打ちのめされても、必ず立ち上がれる。
そう信じる。

  

Posted by アイスH at 06:18日記