2009年12月23日

『イングロリアス・バスターズ』レビュー

『イングロリアス・バスターズ』
製作年 2009(アメリカ)152分
カテゴリー:戦争/アクション
監督・製作・脚本 クエンティン・タランティーノ
キャスト:ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツ、イーライ・ロス、マイケル・ファスベンダー、ダイアン・クルーガー、ダニエル・ブリュール、他
レビュー(☆☆☆☆)

アメリカでは『パルプ・フィクション』以来の大ヒットになった『イングロリアス・バスターズ』も日本では、たった3週目で打ち切りになってしまった。
ブラッド・ピット主演でも、12月公開の”お子ちゃま”映画に押されて、戦争映画は敬遠されたからか?
オイラは公開初日に見たが、師走は何かと忙しくて公開終了後の記事アップになってしまった( ̄o ̄;)

 『イングロリアス・バスターズ』は第2次世界大戦下のナチスやユダヤ人の惨殺等を描いているが、普通の戦争映画ではない。戦争映画のカテゴリーに入れてしまうのは無理矢理のような気もする。
タランティーノが、たまたまやってみたいジャンルが戦争映画だっただけで、戦争の本質を描こうなどとは微塵もないような、史実も完全無視のクエンティン・タランティーノがやりたい放題やっている映画だ。
 当然タランティーノの18番の”おしゃべり”が延々と続いて、『お前(タランティーノ)が脚本の会話を書くセンスがあるのは判ったから、おしゃべりはそのくらいにして早く話を進めてくれよ』と何度か思ってしまったが、今回に限っては、ダイアローグのシーンが重要なパートを占めていて、長い会話から派生する緊張感がスリリングな展開となっている。
しかも、アメリカ映画には非常に稀な、登場人物の母国語での会話となっているのには、さすがタランティーノと感心した。
 映画ファンなら誰しも、アメリカ映画に出てくる英語圏以外の登場人物が流暢な英語を話す不自然さを感じたことがあると思うが、今回の映画では、アメリカ人の秘密部隊がドイツの片田舎のバーでドイツ人の女スパイと会うシーンで、ナチスの兵士にドイツ語の妙なアクセントを見破られるくだりは、英語のみの戦争映画では決して描けなかったシーンだ。
 全ての戦争映画は反戦映画であるべきだとオイラは思うが、タランティーノは反戦なんて、まどろっこしいことなんかには、ちっとも興味がないように ブラッド・ピット演じる、どこか間の抜けた能天気な特殊部隊のリーダーに、ナチスを次々に血祭りにあげさせ、しかも頭の皮を剥ぐという念の入れよう。
残酷なシーンもあるが、ただ残忍なだけではないタランティーノのエッセンスみたいなものが随所に散りばめれて、思わずニヤリとしてしまう場面も多々あった。
あとユダヤハンターの異名を持つランダ大佐を演じるクリストフ・ヴァルツがいいねface01
 ストーリーは1944年、ドイツ占領下のフランスで、ユダヤハンターの異名を持つナチスのランダ大佐と彼に家族を殺された映画館主のミミューの復讐劇に、レイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊が絡む映画。
 ちなみにアメリカで、この映画が大ヒットした要因は、ユダヤ人の老人たちが、プラピがナチスを血祭りにあげるのを大喜びして観たからだと言う噂があったとか、なかったとか(^_^ゞ 
劇場でみれなかった人は、DVDで。face06






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90点 こんな戦争映画観たことない! 奇想天外ですが、ハチャメチャではなく、爽快なまとまりをみせてくれます。
『イングロリアス・バスターズ』を観た感想です。【チャットレディ写真撮影・加工・修正プロ】at 2010年01月08日 13:34
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