2010年06月02日

『 グリーン・ゾーン』レビュー

『グリーン・ゾーン』
製作年 2010( アメリカ)154分
カテゴリー:戦争、アクション、サスペンス
監督:ポール・グリーングラス

キャスト:マット・デイモン、グレッグ・キニア、ブレンダン・グリーソン、エイミー・ライアン、ジェイソン・アイザックレビュー
レビュー(★☆☆☆☆)

2003年のイラク。アメリカが、大量破壊兵器を探すという大義名分で始めたイラク戦争後、偽情報に踊れされていたブッシュ政権の茶番劇とその後の顛末は、オリバー・ストーン監督の『ブッシュ』でも、たちの悪い冗談の様に描かれていたが、開戦前に世界中の誰も(ブッシュを支持するアメリカ人以外は)が、”大量破壊兵器の有無は別として”、この戦争は”アメリカのイラクへの侵略戦争だ”と言う事は認識していた。

あるはずのない大量破壊兵器は当然見つかはずもなく、ブッシュは宿敵のフセイン大統領を捕まえ死刑にした後、『大量破壊兵器は見つからなかったけれど、民主主義を広めることができたから、いいんじゃね?』と鼻の穴を広げて、オトボケ猿顔で演説した。

オイラは、あまりの厚顔ぶりに絶句した。

結果論で言っているのではない。

開戦前に、国連も、”ブッシュを2回も大統領に選んだアメリカ人”以外の世界中の心ある人々も、『大量破壊兵器を探す』なんていうのは、ただの大義名分だと知っていたからface15

『グリーン・ゾーン』はマット・デイモン演じる米陸軍のミラー准尉のチームが、大量破壊兵器を探すアクション・ムービーなのだが、一向に見つからない兵器と、誤情報を不審に思ったミラー准尉が独自に調査を始めるという政府の陰謀を暴くプロットは、こう言っては元も功もないが、『あり得ない作り話』でしかなく、アメリカ政府がブッシュが残した世紀の汚点を払拭しようとイメージアップを狙ったプロパガンダ映画のような気さえする(-_-メ)

つまり、ハリウッド映画の力を借りてアメリカ政府が、『侵略戦争したけど、誤情報に踊らされていただけなんだよぉ。本当は、心あるアメリカ人もいたんだよぉ。』というイメージを植え付けたいから、政府が陰で金出して作らせたような映画だなと穿った見方さえしたくなる。(;´Д`)

監督のポール・グリーングラスは、「ボーンシリーズ」でリアリティのある新しいアクションムービーの形を構築したが、マット・デイモンを主演にして、形だけ「ボーンシリーズ」をそのままに、イラクを舞台に1人のヒーローの活躍を描こういう思惑があったとしたら、それは見事に外している。

たかが娯楽映画でも、戦争という背景は、そんなショービズ界の勝手な思惑を簡単にはね除けるほど重いのだ。

あまりにもリアリティーのかけらも無く、底の浅いストーリー展開に
『映画なんて所詮作り話だが、ミラー准尉みたいな男がいるわけないじゃん』と、ムカムカしながら観ていた。


『恥を知れ!!!!』

日本車の車のプログラムがちょっと間違っていただけで言いがかりを付けて、何億円も制裁金をボッタクってないで、ブライアン・デ・パルマ監督の『リラクデット』や『告発の時』の様な映画作って猛省しろよ。アメリカ!!









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Posted by アイスH at 23:42 │☆レビュー