2009年10月30日

マイケル・ジャクソン『THIS IS IT』

『THIS IS IT』 製作年 2009(アメリカ)111分
カテゴリー:ライブ/ドキュメンタリー

監督:ケニー・オルテガ
振り付け:トラビス・ペイン
音楽監督:マイケル・ビアーデン
プロデューサー:ランディ・フィリップス

キャスト:マイケル・ジャクソン、他
レビュー(☆☆☆☆☆)

これは奇跡の映画だ。
 最後のスーパースター、マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』を観た。
いや、全てのオーディエンスがエモーショナルな瞬間と圧倒的な臨場感に魂を揺すぶられ、マイケルの魂を体感して共有したと言い換えてもよい。
 だが、言葉にしたら陳腐なだけだ。これは、言葉では表現できないものだから。
でも、凡人のオイラの拙い言葉で、少しでもこの感動(陳腐すぎる)を伝えられたらと思う。

 この映画は、今年の夏、ロンドンのO2アリーナで開催され彼の最後のコンサートとなるはずだった『THIS IS IT』のリハーサル風景を、マイケルの急逝により、本来は決して公開されるばずのなかった映像を編集して2週間限定で世界同時公開となった映画だ。

 奇跡の映画というのには二重の意味がある。
 もし、予定通りコンサートが開催されていたら、誰も決して観る事ができなかった映像であることと、リハーサル風景を編集して繋げた映像は、リハーサル中で未完成なぶん、生々しく臨場感に溢れていて、私たちは同じ時代に存在したスーパースターの最後の姿を図らずも目撃することになったからだ。

 こんなシーンがある。リハーサルということもあり、ウォーミングアップも兼ねて、抑えて歌っていたマイケルが、女性ヴォーカルとのデュエットで、つい本気で歌い出してしまう。
 そして、ソロを任された女性ギターリストに『ここは、君が一番輝く瞬間だ』とクルーのパフォーマンスを最大限に引き出すこんなシーンも。
 スタッフも世界中から超一流のパフォーマーやアティストが結集していて、ダンスシーンはリハと言う事もあり、マイケルは流している感じなんだけど、バックダンサーの動きは完全にMJに同期していて、これがリハーサルか!!と驚かずにはいられない。
 映画の冒頭のダンスシーンから全身鳥肌が立つような興奮と、もうMJはこの世にはいないという現実に魂を揺すぶられた。そして、隣にすわっていた50歳前後の女性も最後まで号泣していた。

 もう、決して彼を越えるスーパースターは現れないだろう。
希有で偉大なクリエーターでパフォーマー。エキセントリックなゴシップスター。
人によってMJはいろんな捉え方があるだろう。
 でも、この映画を観れば、彼が本当に伝えたかったメッセージが何か解る筈だ。
 この映画は、マイケル・ジャクソンのファンではない人にも観て欲しい。いや、最後のスーパースターの生き様を目撃し、体感して欲しい。
 少なくとも、少しでもクリエイティブな仕事に関わる人は、観るべきだ。
一流のプロフェッショナルたちが、どのようにして本当に価値のあるものを磨き上げる過程が見ることが出来るから。

 最後に、ワールドプレミアムの上映前にテレビのインタビューに答えていたアフロアメリカンのおばさんが『私たちは世界を変えられる人を失った』と言っていたが、この映画を観たそのおばさんは、すぐに自分の間違いに気がついただろう。
 なぜなら、このロクデモナイ世界を変えたいと願うなら、『Man In The Mirror』
鏡の中に映った自分が変わることだと気づくはずだから。
 そして、マイケルも本気で、それを信じていたはずだ。






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この記事へのコメント
「THIS IS IT」見ましたよ。
マイケル最高でした!!
Posted by MJファン at 2009年11月11日 13:56
ヤバいっす。(┯_┯) ウルウル…きたっす。
Posted by Hara at 2009年11月14日 21:26
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