2012年09月09日

『ダークナイト ライジング』レビュー

『ダークナイト ライジング』
原題 The Dark Knight Rises
製作年 2012年
製作国 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース映画
上映時間 165分
映倫区分 G

<スタッフ>
監督クリストファー・ノーラン
製作エマ・トーマス
クリストファー・ノーラン
チャールズ・ローベン
製作総指揮ベンジャミン・メルニカー

<キャスト>
クリスチャン・ベール
マイケル・ケイン
ゲイリー・オールドマン
アン・ハサウェイ
トム・ハーディ

レビュー(☆☆☆☆)

『ダークナイト ライジング』は、もちろんアメコミのヒーローものの

バットマンの映画ではあるが、バットマンではない。


(゚Д゚)ハァ?
一体なにいってるの?(@_@)


前作の『ダークナイト』でクリストファー・ノーランは

バットマンというアメコミのヒーローものの範疇を見事に越え、

人間の心の奥底にある、恐怖、不安、弱さ、憎しみ、醜さを剥き出しにした。


今回の『ダークナイト ライジング』では、さらにそんな要素が強められ

秘密兵器を搭載したバットモービルで飛び回り悪を懲らしめるはずの

正義のヒーローであるバットマンも、自己の弱さを見つめ深く内省する

いわば”修行”のような場面に映画の大半の時間が費やされる。


今回の敵のベインとの戦いも、お互いにアメコミ的な武器など一切使わず

ただの殴り合い( ̄□ ̄)

コノヤロ! o(#-`Д-)=○)>д<).。ぐはぁっ!
ウルァッ! (((((;`Д´)≡⊃)`Д)、;'.・

このベインっていう男がまた、強いのなんのって(≧∀≦)


お坊ちゃん育ちの大富豪ブルース・ウェインこと
バットマン(クリスチャン・ベイル)とは”芯”の強さが違い過ぎる。


ベインは本当の絶望というものを知っている。

ベインの強さは、巨大な塊のような憎しみであり、怒りである。

バットマンとベインとでは”芯”の強さの質が違うのだ。

そしてベインに徹底的に叩きのめされたバットマンは
奴がかつていた絶望に突き落とされる。


バットマンとスパーダーマンは誰にも頼まれた訳でもないのに
身を削って悪に立ち向かう共通点があるが、
バットマンにはスパーダーマンのような超人的な力を持っていない。

生身の体で、もう一度立ち上がり、自らの限界を越えるしかないのだ。



クリストファー・ノーランが手がけるバットマンシリーズの
3部作の完結編の『ダークナイト ライジング』は”寡黙”な作品だ。

”見せ物”的なムダな爆破シーンや意味のない
ど派手なアクションなど一切ない。


怒りや憎しみや恐怖などのネガティブで強い感情は、

抑制の効いた演出でコントロールされ

行き場をなくしたエネルギーは内側にドンドン溜まって

さらに増幅され巨大な力となる。

まるで核爆弾のように。


どうしても完成度の高い前作との比較をしたくなるし

なにか物足りなさを感じるが

今回の『ダークナイト ライジング』は

シリーズ最終章に相応しい終わり方だったように思う。






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