2012年03月19日

『ドラゴン・タトゥーの女』レビュー

『ドラゴン・タトゥーの女』
原題:The Girl with the Dragon Tattoo
製作国:2011年アメリカ
上映時間:158分
映倫区分: R15+
監督: デビッド・フィンチャー
原作: スティーグ・ラーソン
脚本: スティーブン・ザイリアン
撮影: ジェフ・クローネンウェス
音楽: トレント・レズナー、アティカス・ロス

キャスト: ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、
ステラン・スカルスガルド、スティーブン・バーコフ、ロビン・ライト、他

レビュー(☆☆☆☆)


「セブン」「ソーシャル・ネットワーク」のデビッド・フィンチャー監督が

スティーグ・ラーソンの世界的ベストセラーを映画化したスウェーデン映画

「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」(2009)のリメイク、

ミステリーサスペンス『ドラゴン・タトゥーの女』を観た。


オープリングのツェッペリンの「移民の歌」をトレント・レズナーが

カバーしたバージョンをGBMにタイトルバックのCGが超クール!!

まったく予備知識もなしに観たので、オドロオドロしい

タイトルバックに、期待が盛り上がる。


ストーリーは、経済誌「ミレニアム」の代表で

経済ジャーナリストのミカエル(ダニエル・クレイグ)が、

資産家のヘンリック・バンゲルから40年前に起こった

彼の孫娘ハリエットの失踪事件の真相追究を依頼されことで始まる。


北欧の吹雪の極寒の風景は、何か得体の知れないようか不安みたいなものを

表現するのには、これ以上のものはないと思わせる程、この映画に雰囲気にマッチして

デビッド・フィンチャー監督がスエーデンロケにこだわった理由が良く解る。


タイトルの『ドラゴン・タトゥーの女』とは、

ミカエルが、調査の為に雇った、背中にドラゴンのタトゥを入れた

天才ハッカーのリスベット(ルーニー・マーラ)の事なのだが、

映画の中盤までは、事件の真相とは全く無関係なリスベットの

悲惨な生活が描かれ、しかも、資産家のヘンリック一家の複雑な人間関係に

ストーリー展開のモタツキのような焦れったさを感じたが、

ミカエルとリスベットが出会って、調査を協力しだしてから

物語のスピードは増して行く。


そしてこの映画は突然に、まどろっこしい謎解きにアッサリと終止符をうつ。


それはミカエルとリスベットが一人の少女の失踪事件を追ううちに、

各地で起こった凄惨で猟奇的な少女殺人事件との因果関係が解き明かされる瞬間でもある。


ここからがデビッド・フィンチャーの真骨頂というか、

突然、現れた真犯人の"凄み"に観客は驚愕する。

観客を低能扱いしたドンデン返しの意外性だけの展開ではない。


ミカエルの絶望に、慈悲の目で哀れんでさえするその真犯人の

冷静で冷淡で、底のない闇に背筋が凍るような”凄み”があるのだ。

本物の悪とは、こういうものだ。


少し前に観た映画で、レビューを書く気にもなれなかった園 子温監督の

『冷たい熱帯魚』ででんでんが演じ作り物の悪とは

天と地との差ほど、悪の凄みが違うのだ。

(アホな評論家がスゲーって絶賛してたけどね。。(;´д`)トホホ…)


話を戻そう。


全身ピアスで全身タトゥーのリスベットには、なかなか共感しがたいが、

彼女のプロフェッショナルな仕事ぶりは、カッコ良過ぎるぜ(≧∀≦)


『ソーシャル・ネットワーク』で温いデビッド・フィンチャー作品に

ガッカリしたけど、『ファイトクラブ』以来の納得の一本と言える作品!








同じカテゴリー(☆☆☆☆レビュー)の記事
 『悪の法則』レビュー (2013-12-16 01:02)
 『オブリビオン』レビュー (2013-06-16 22:28)
 『ダークナイト ライジング』レビュー (2012-09-09 12:51)
 『凍える太陽』レビュー (2012-09-02 11:57)
 『プロメテウス』レビュー (2012-08-26 11:44)
 『メン・イン・ブラック3』レビュー (2012-06-20 23:54)

この記事へのトラックバック
オリジナルと互角の面白さであった。全体的な印象として、艶っぽい。ラストの印象も違っていて、オリジナルでは温かみを感じたし、リメイクでは甘酸っぱさを感じた。いずれにしろ甲乙...
『ドラゴン・タトゥーの女』お薦め映画【作曲♪心をこめて作曲します♪】at 2012年05月06日 15:46
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。